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2.1 スクリプトの編集

2.1 スクリプトの編集

スクリプトの種類と設定する場所

ActionScriptスクリプトは、フレームに設定するフレームアクション、インスタンスに設定するオブジェクトアクション(ムービークリップアクション、ボタンアクション)、そして外部ファイルのActionScriptファイル(ASファイル)に分けることができます。これらの違いはムービーの構造や目的によって使い分けますが、いずれの場合もスクリプトはアクションパネルを開いて書き込みます。(スクリプトの種類→p.??)

・アクションパネル
アクションパネルはウインドウメニュー>開発パネル>アクションを選択して開きます。プロパティウインドウを表示している場合には、パネルの右端に[このオブジェクトのActionScriptの編集]ボタンをクリックして選択しているオブジェクトのアクションパネルを表示することもできます。

note:
Flash MX 2004からはノーマルモード/エキスパートモードの切替はなくなりました。

図2-1-1 アクションパネルを開く。

ActionScriptのメソッド名や演算子などのエレメントはアクションパネル上部のツールバーに並んでいる[スクリプトに新規アイテムを追加...]メニューから選んで入力できます。または、パネルの左の欄のツリーでダブルクリックして入力することもできます。

図2-1-2 ActionScriptのエレメントはメニューや左の欄のツリーから選んで入力できます。

・ActionScriptファイル
ActionScriptファイル(ASファイル)はActionScriptを書いた外部ファイルです。ASファイルには、コンパイル時に#includeアクションでスクリプトに読み込む単純な外部ファイルとしての役割とActionScript2.0のクラス定義で利用するASファイルという2つの役割があります。
ASファイルは拡張子に.asを付けて保存したテキストファイルですが、Flash MX 2004 Professional版ではASファイルを新規作成でき、アクションパネルを使ってコード入力やエラーチェックができます。ASファイルは一般のテキストエディタで作っても問題ありません。

・スクリプトの書き出しと#includeアクション
アクションパネルでスクリプトを選択して反転させ、アクションパネルの右肩にあるポップアップメニューから[スクリプトの書き出し...]コマンドを実行すれば、選択しておいたスクリプトがASファイルとして書き出されます。
 逆に、test.asファイルとして書き出しておいたASファイルならば、

#include "test.as"

と書けば、この位置にスクリプトが読み込まれます。行末に;を書かない点に注意してください。この位置に読み込むASファイルの最終行は改行するか;を付けます。長いスクリプトや汎用性のあるスクリプトはASファイルとして書き出しておくと流用などが効率よく行えます。

note:
ActionScript2.0のクラス定義ファイルはクラスパスで参照するので、#includeアクションで読み込む必要はありません。

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コードヒント

ビルトインクラスの名前をタイプするとコードヒントが表示されます。コードヒントは、そのオブジェクトで利用できるメソッド名やプロパティ名のリストになっています。候補リストの中からメソッドやプロパティを選びたい場合には、アルファベットを続けてタイプして名前を選択します。選択されたところでreturnキーを押せば確定します。上下の矢印キーで候補を選ぶこともできます。コードヒントが表示されるタイミングは、Math.やArray.のようにクラス名に続いてドットをタイプしたときです。

図2-1-3 クラス名に続いてドットをタイプするとコードヒントが表示されます。

・コードヒントを閉じる・表示する
 コードヒントを閉じるにはコードヒント以外の位置をクリックするかESCキーを押します。カッコが必要なエレメントのコードヒントでは)をタイプします。消えたコードヒントを再び表示するには、スクリプトパネルにある[コードヒントの表示]ボタンをクリックします。ctrl+スペースバーでも表示できます。

・オブジェクトの厳密な型指定によるコードヒント表示
ActionScript2.0ではオブジェクトのデータ型を厳密に指定できます。ビルトインクラスのデータ型を指定すると、変数名をタイプした場合にコードヒントが表示されます。データ型指定を行う式を記述する際にも変数名に続いて:をタイプした時点でコードヒントが出ます。(厳密な型指定→p.??)

図2-1-4 厳密な型指定を行うとコードヒントが表示されるようになります。


・接尾辞によるコードヒント表示
変数のデータ型を厳密に指定しなくても、ビルトインクラスについてはmy_array、my_mc、my_btnのようにオブジェクト名の接尾辞を次のものにすればクラスに応じたコードヒントが表示されます。

ビルトインクラス   接尾辞
Array        _array
Button        _btn
Camera        _cam
Color         _color
ContextMenu     _cm
ContextMenuItem   _cmi
Date         _date
Error         _err
LoadVars       _lv
LocalConnection    _lc
Microphone      _mic
MovieClip       _mc
MovieClipLoader   _mcl
PrintJob       _pj
NetConnection    _nc
NetStream      _ns
SharedObject     _so
Sound        _sound
String         _str
TextField       _txt
TextFormat      _fmt
Video         _video
XML          _xml
XMLNode       _xmlnode
XMLSocket      _xmlsocket


図2-1-5 接尾辞を利用したコードヒント。

・エレメントのコードヒント
 if、do whileなどのカッコが必要なエレメントでは、if(のように(をタイプした時点で書式のコードヒントが表示されます。forのようにパラメータを必要とするエレメントではfor(とタイプした時点でパラメータの書式が示されます。このとき、複数のパラメータの与え方がある場合には「1 of 3」のように複数の書式が表示され、その中から矢印ボタンをクリックして選ぶことができます。矢印ボタンのクリックはctrl+→、ctrl+←でも行えます。

図2-1-6 エレメントの書式のコードヒント。

 また、Escキーに続いてifとタイプするだけでifの書式が入力されるというように、Escキーを組み合わせたショートカットがあります。アクションパネルの[表示オプション]メニューの[Escショートカットキーの表示]をチェックしておくと、どのような組み合わせが利用できるのかが表示されます。


・コメントによるコードヒント表示
コードヒント表示が行われるように、コメントを利用してオブジェクトのデータ型を指定することができます。ただし、これは勧められる方法ではありません。

図2-1-7 コードヒント表示の目的でコメントを利用してデータ型を指定する方法。

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コメント文

スクリプトの説明などをコメント文として書き込むことができます。アクションパネルのメニューの[シンタックスに色を付ける]がチェックしてあるとき、初期設定ではコメント文は灰色で表示されます。コメント文の書き方は2通りあります。
1つは//に続けてコメント文を書く方法です。行の中の//の後に続く入力は、スクリプトではなくコメント文としてみなされて実行されません。
2つ目は/*から始まり、*/で終わる間の入力です。複数行にわたってコメント文を書きたい場合やデバッグの最中に一時的に複数行のスクリプトを実行したくない時にコメントアウトするときに便利です。


図2-1-8 コメント文。初期設定ではコメントは灰色で表示されます。

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空行と改行、セミコロン;

スクリプトを見やすくするために、スクリプトの中に自由に空行を入れることができます。
スクリプトは改行によって区切られるのではなく、;をステートメントの区切りとします。ステートメントの最後に;があれば改行は必要ありません。行末に;がない場合にも、スクリプトの構文を判断して改行をスクリプトの区切りとして解釈してくれます。

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スクリプトの固定

アクションパネルの押しピンの形をした[スクリプトの固定]ボタンをクリックすると、現在開いているスクリプトをタブに登録できます。1つのムービーで複数のスクリプトを検討したいときに便利な機能です。固定したスクリプトを閉じるには、スクリプトをタブで開き[固定したスクリプトを閉じる]ボタンをクリックします。

図2-1-9 [スクリプトの固定]ボタンをクリックすると、現在開いているスクリプトをタブに登録できます。

note:Windows版では複数のFlashファイルを開いたとき、ファイルやアクションパネルをタブで切り替えることができます。

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自動フォーマットと表示オプション

アクションパネルをスクリプトの構造が見やすくなるように自動的にインデントが行われます。指定のキーワードによって自動的にインデントされる場合もありますが、途中を削除したりした場合などではインデントが正しくなりません。そのような場合にはアクションパネルの[自動フォーマット]ボタンをクリックします。このとき、スクリプトにシンタックスエラー(スペルミスや書式などの文法エラー)があるとインデントが行われません。どこがエラーなのか知りたい場合には、[シンタックスチェック]ボタンをクリックします。エラーがあれば、エラーの場所とその内容が出力パネルに表示されます。
 改行の位置や演算子の前後の空白挿入などのいくつかの設定は、アクションパネル右のメニューの[自動フォーマットオプション...]で設定を選ぶことができます。行番号は表示オプションメニューで表示するように設定できます。アクションパネルのフォントの種類やサイズは環境設定のActionScriptパネルで行います。環境設定では自動インデントやコードヒント、シンタックスの色なども設定できます。

図2-1-10 自動フォーマットの書式を選ぶことができます。

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