ActionScript 3.0入門ノート CS4でタグ「addEventListener()」が付けられているもの

(section04-01 イベントとイベントリスナーから抜粋)

 イベントが発生するとaddEventListener()で登録しておいたリスナー関数が呼び出されますが、このときイベントオブジェクトが引数として送られてきます。イベントオブジェクトにはイベントの種類によってさまざまなプロパティがあり、発生したイベントの状況を示すデータが含まれています。このプロパティの値を活用することで、スクリプトのむだを省いたり、イベントに応じてできることをひろげることができます。

クリックされたターゲット
 次のサンプルのball1_mcからball4_mcの4個のインスタンスはクリックのたびに10度回転します。各インスタンスのaddEventListener()ではそれぞれのインスタンスを10度回転させるリスナー関数を追加していますが、リスナー関数のstepRotation1()からstepRotation4()の4個のリスナー関数定義をみると回転の対象となるインスタンスが違うだけで同じ機能の関数です。この方法ではターゲットと同じ個数のリスナー関数が必要になります。

[:script:]ターゲットと同じ個数のリスナー関数が必要
//4個のmcに同じ機能のイベントリスナーを追加する
ball1_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, stepRotation1);
ball2_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, stepRotation2);
ball3_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, stepRotation3);
ball4_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, stepRotation4);

//ball1_mcを回転させる
function stepRotation1(eventObj:MouseEvent):void {
	ball1_mc.rotation+=10;
}
//ball2_mcを回転させる
function stepRotation2(eventObj:MouseEvent):void {
	ball2_mc.rotation+=10;
}
//ball3_mcを回転させる
function stepRotation3(eventObj:MouseEvent):void {
	ball3_mc.rotation+=10;
}
//ball4_mcを回転させる
function stepRotation4(eventObj:MouseEvent):void {
	ball4_mc.rotation+=10;
}
fig04-01-06.jpg
インスタンスをクリックすると、そのインスタンスが10度回転します。。→swfを試す

 このスクリプトは、次のようにリスナー関数の引数のイベントオブジェクトのtargetプロパティを利用することで、どのインスタンスも同じstepRotation()をリスナー関数として使えるようになりスクリプトも短くなります。

[:script:]イベントオブジェクトのtargetプロパティを利用する
//4個のmcに同じイベントリスナーを追加する
ball1_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, stepRotation);
ball2_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, stepRotation);
ball3_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, stepRotation);
ball4_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, stepRotation);

//ターゲットを回転させる
function stepRotation(eventObj:MouseEvent):void {
	eventObj.target.rotation+=10;
}

 このスクリプトのポイントは9行目のeventObj.targetです。イベントオブジェクトのtargetプロパティには、イベントが発生したターゲットの参照、すなわちクリックされたインスタンスの参照が入っています。したがって、イベントによって呼ばれるリスナー関数が同じであっても、どのインスタンスがクリックされたのかがわかります。eventObj.targetをいったん変数に代入して使う場合には、次のようにas演算子を使って変数のデータ型にキャスト(型変換)しなければコンパイルエラーになります。

[:script:]targetの値を変数に代入して利用する
//4個のmcに同じイベントリスナーを追加する
ball1_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, stepRotation);
ball2_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, stepRotation);
ball3_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, stepRotation);
ball4_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, stepRotation);

//ターゲットを回転させる
function stepRotation(eventObj:MouseEvent):void {
	//targetの値をMovieClipクラスにキャストする
	var ball_mc:MovieClip=eventObj.target as MovieClip;
	ball_mc.rotation+=10;
}
(section04-01 イベントとイベントリスナーから抜粋)

 今度は同じイベントに同じリスナー関数を重ねて追加した場合を見てみましょう。次のサンプルではa_mcのフレーム再生イベントに対してstepRotationA()を4回重ねてリスナー関数として追加しています。この場合にはフレーム再生でstepRotationA()が4回実行されることになり、同じ機能のstepRotationB()を1回しか追加していない場合にb_mcに比べて4倍の速度で回転するでしょうか。
 その結果はa_mcもb_mcと同じくstepRotationA()を1回しか追加していない場合と同じ速度で回転します。すなわち、同じイベントに同じリスナー関数を重ねて追加しても、リスナー関数は重複して登録されないわけです。

[:script:]同じイベントに同じリスナー関数を重ねて追加した場合
//同じイベントに同じリスナー関数を重ねて追加する
a_mc.addEventListener(Event.ENTER_FRAME, stepRotationA);
a_mc.addEventListener(Event.ENTER_FRAME, stepRotationA);
a_mc.addEventListener(Event.ENTER_FRAME, stepRotationA);
a_mc.addEventListener(Event.ENTER_FRAME, stepRotationA);
//b_mcには1度しか追加しない
b_mc.addEventListener(Event.ENTER_FRAME, stepRotationB);

//回転させる
function stepRotationA(eventObj:Event):void {
	a_mc.rotation+=2;
}

function stepRotationB(eventObj:Event):void {
	b_mc.rotation+=2;
}
fig04-01-05.jpg
a_mcもb_mcと同じ速度で回転します。→swfを試す
(section04-01 イベントとイベントリスナーから抜粋)

 同じターゲットの同じイベントに対して複数のリスナーを追加するとどうなるでしょうか。次のスクリプトでは5行目でインスタンスf_mcのEvent.ENTER_FRAMEイベントにstepRotation()をリスナー関数として追加し、次の6行目でも同じくf_mcのEvent.ENTER_FRAMEイベントに今度はstepZoom()をリスナー関数として追加しています。この結果がどうなるかを予想すると、後から実行した6行目のaddEventListener()の設定が5行目のaddEventListener()の設定を上書きしていまい、Event.ENTER_FRAMEイベントではstepZoom()だけが実行されるようになるのではないかと思われます。
 しかし、実際にはEvent.ENTER_FRAMEイベントではstepRotation()とstepZoom()の両方のリスナー関数が実行され、両者の動作が組み合わさったアニメーションになります。すなわち、stepRotation()によって回転し、stepZoom()によって伸縮とアルファ変更を繰り返すアニメーションになります。

[:script:]同じイベントに別のリスナー関数を重ねて追加する
//stepZoomで比率を変化させるための角度
var degree:int;

//同じイベントに別のリスナー関数を重ねて追加する
f_mc.addEventListener(Event.ENTER_FRAME, stepRotation);
f_mc.addEventListener(Event.ENTER_FRAME, stepZoom);

//回転させる
function stepRotation(eventObj:Event):void {
	f_mc.rotation+=2;
}

//伸縮とアルファ変更
function stepZoom(eventObj:Event):void {
	degree=(degree+2)%360;
	//回転角度で比率を変える
	var ratio:Number=Math.abs(Math.sin(degree*Math.PI/180));
	//伸縮
	f_mc.scaleX=f_mc.scaleY=1+9*ratio;
	//アルファ変更
	f_mc.alpha=Math.max(0.02,1-ratio);
}
fig04-01-04b.jpg
回転と伸縮の複数のリスナー関数の動作が組み合わさったアニメーションになります。→swfを試す

 stepZoom()では17行目で比率ratioの値を作っています。sinの値は繰り返しでdegreeに2度ずつ加算され-1〜1のサイン波になり、Math.abs()によって絶対値0〜1で変化する値になります。
 19行目のscaleX、scaleYはインスタンスの横方向、縦方向のスケールを示すプロパティで、1のときが等倍です。この設定値を1+9*ratioで計算しているので、スケールは1倍〜10倍で変化します。21行目のalphaはインスタンスのアルファ値を示すプロパティで、0が透明、1が不透明の0〜1の範囲の値です。この設定値を1-ratioの計算で設定値を変化させ、完全な透明にならないようにMath.max()を使って最低値を0.02に制限しています。
(section04-01 イベントとイベントリスナーから抜粋)

 さらに発展させて、止まっているbox_mcをクリックすると回転が始まり、回転しているbox_mcをクリックすると回転が止まるようにしてみましょう。

 今度は止まっている状態から回転を開始する必要があるので、box_mcの回転を開始するstartRotation()を用意し、startRotation()をクリックイベントのリスナー関数として追加するところから始めます。
 startRotation()では2つのことを行います。1つはbox_mcが回転するようにフレーム再生イベントにstepRotation()を追加します。もう1つはbox_mcをクリックしたら回転を止める機能です。このとき、クリックイベントには回転を開始するstartRotation()がリスナー関数として追加されている状態なので、startRotation()を取り除くのを忘れないようにします。
 回転中にクリックしたときに実行されるstopRotation()では、startRotation()の場合とは逆に回転を止めることに加えて、次にクリックされたならば回転を開始するように設定し直します。このように、addEventListener()とremoveEventListener()を使ってイベントリスナーを追加したり取り除いたりすることで、イベントへの対応を切り替えるのがイベント処理の基本テクニックです。

[:script:]box_mcをクリックして回転と停止を切り替える
//クリックで回転を開始するようにする
box_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, startRotation);

//回転を始めるリスナー関数
function startRotation(eventObj:MouseEvent):void {
	//フレーム再生で回転するようにする
	box_mc.addEventListener(Event.ENTER_FRAME, stepRotation);
	//クリックで回転を停止するようにする
	box_mc.removeEventListener(MouseEvent.CLICK, startRotation);
	box_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, stopRotation);
}

//回転を止めるリスナー関数
function stopRotation(eventObj:MouseEvent):void {
	//回転を止める
	box_mc.removeEventListener(Event.ENTER_FRAME, stepRotation);
	//クリックで回転を開始するようにする
	box_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, startRotation);
	box_mc.removeEventListener(MouseEvent.CLICK, stopRotation);
}

//フレーム再生で実行されるリスナー関数
function stepRotation(eventObj:Event):void {
	//box_mcを回転させる
	box_mc.rotation+=2;
}
fig4-1-3.jpgswfを試す
(section04-01 イベントとイベントリスナーから抜粋)

 「インスタンスbox_mcをクリックしたらtest()を実行する」といったインタラクティブな処理を考えたとき、この中には「1.どこで、2.何が起きたら、3.どうする」の3つの要素が含まれています。

 1.どこで 
 2.何が起きたら
 3.どうする 

 これをイベント処理の用語で言い換えると次のようになります。

 1.イベントターゲット ・・・・ イベントが発生するオブジェクト
 2.イベントタイプ ・・・・ 発生するイベントの種類
 3.リスナー関数 ・・・・ イベント発生で実行する関数

 さきほどの「インスタンスbox_mcをクリックしたらtest()を実行する」をこれに当てはめると次のようになります。

 1.イベントターゲット ・・・・ box_mc
 2.イベントタイプ ・・・・ クリック
 3.リスナー関数 ・・・・ test()

 このイベント処理をスクリプトではaddEventListener()というメソッドを使って設定します。書式は次のようになります。イベントが発生するオブジェクトに対して、イベントタイプとリスナー関数をペアにしてイベントリスナーとして追加します。

書式:イベントリスナーを追加する
イベントターゲット.addEventListener(イベントタイプ, リスナー関数);
[:note:] addEventListener()には引数がまだありますが、ここでは省略しています。

 実際のスクリプトは次のようになります。クリックというイベントタイプはMouseEvent.CLICKで指定します。リスナー関数はtestのように()を付けずに指定します。
 実行するtest()も定義しておきます。リスナー関数にはイベントタイプと同じデータ型のイベントオブジェクトが引数として送られてくるので、コンパイルエラーにならないようにtest(eventObj:MouseEvent)のようにイベントオブジェクトを受け取る引数が必要です。

[:script:]box_mcをクリックしたらtest()を実行する
box_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, test);

//クリックで実行されるリスナー関数
function test(eventObj:MouseEvent):void {
	trace("test OK");
}
 そこで、test()でbox_mcの現在の回転角度つまりbox_mc.rotationに45度を加算すれば、box_mcをクリックするたびにbox_mcが45度回転するようになります。

[:script:]box_mcをクリックすると45度回転する
box_mc.addEventListener(MouseEvent.CLICK, test);

//クリックで実行されるリスナー関数
function test(eventObj:MouseEvent):void {
	//box_mcを45度回転させる
	box_mc.rotation += 45;
}
fig04-01-02.jpgswfを試す
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