歴史認識とは何か

戦後史の解放I 歴史認識とは何か: 日露戦争からアジア太平洋戦争まで (新潮選書) 単行本 - 2015/7/24 細谷 雄一 (著)

史実だけを掘り起こし精査すれば共通の歴史認識が得られるというナイーブな歴史観の時代は終わった!

世界史の教科書で事実だけを覚える形式は古い。

イデオロギー、ポストコロリアリズム、フェミニズム、ナショナリスト、様々な活動家・政治家が歴史を利用しようとする。

わたしにとって日露戦争以後わからなくなってしまう日本史。



戦後史の3つの束縛

親米vs反米というイデオロギー的対立が歴史認識に浸透してしまっている。(例:「戦後史の正体」などの陰謀論批判。単純な対立項構造が読者に好まれるが現実はもっと複雑。朝鮮戦争、ヴェトナム戦争、イラク戦争などアメリカの失策は多くある。)

(イデオロギー的束縛)

戦後を研究するには戦前を知る必要がある。

(時間的束縛)

日本の教育において世界史に日本が出てこない。

(空間的束縛)

・ファーガソン「憎悪の世紀」20世紀は前半大量殺戮の世紀。後半は平和で大国間の戦争がない(第三次世界大戦=第三世界の戦争)

・平和は近代の発明。日露戦争はハーグ平和条約が初めて適用された戦争。ハーグ陸戦規則、ジュネーブ条約など軍部の教育が徹底していた。

・第一次世界大戦でヨーロッパ世界は多大な被害と荒廃を経験したが、日本は戦場にならなかったため平和の希求という認識を共有しなかった→戦争を国力増強の好機とみなしていた。平和主義、帝国主義の崩壊、ナショナリズムの台頭という新しい潮流に乗れなかった日本外交。日本でも自由主義的な国際主義の潮流を理解していた人たちがいた。吉野作造、原敬、牧野伸顕のぶあき、吉田茂。強硬な対中政策改善への提言。対して自国の利益と主張のみにこだわる強硬な意見も多かった。人種差別・英米批判の系譜・帝国主義と民族主義の二つの潮流に挟まれて漂流しはじめる日本。

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ここまでで図書館の貸し出し期間終了つづきはまた