由布岳

初めての「帰省&登山」。今まで何度か準備をして帰省しましたが、いつも雨で実現できませんでした。今回は、ちょうど晴れ間に登ることができました。

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父の車を借りて夜明け前に登山口に着きました。やまなみハイウェイの両側に広がる笹の原。由布岳の山頂に朝日がさす頃、歩き始めました。

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笹原の中の道をビンズイが歩いていました。道案内するように人が近づくとその分離れて行きます。

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登山口に、ヘルメットとかなり強めのメッセージがあります。そんなにおおげさでなくても。。。と思いましたが、山頂に行ったら必要なんだとわかりました。

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紅葉がひと段落した静かな道を登っていきます。草原との境目の林縁で、シジュウカラ、エナガの群れに会いました。

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暗い谷間を越えるとき、登山道で笹を食べていた母子の鹿が、人に気づいて鳴きながら走って逃げました。鹿たちはある程度距離を置くと樹の下からこちらをじっと見ていました(赤い葉の木の下あたりにいます)。

その他シジュウカラ、コガラ、コゲラ、アオゲラ、ツグミ。

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眼下に湯布院の街が見えます。草原状の場所でホオジロの声を聞きました。

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下から上ってくるガスに追われながら登りました。あれは九重連山?

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マユミの赤い実があちこちに見られました。

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山頂の西峰と東峰の分かれ目に到着。突然冷たく強い風が吹きぬけます。私たちの後を追うように上がってきたガスで南側は真っ白。山頂を境に北側は晴れていました。西峰は急峻な岩場で、見ただけでここは無理だとあきらめました。なるほどあっちに行くならヘルメットが必要だねと言いながら東峰へ。

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マタエから上の山頂部は、石の色がピンクやオレンジで、山腹とははっきり違っています。

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中学2年のとき、当時の担任の先生が個人的にクラスのみんなを由布登山に連れて行ってくれました。ところがわたしは途中まで登って貧血で倒れてしまい、みんなに迷惑をかけたのでした。それ以来の由布山です。死ぬまでにリベンジしたいことの一つがこの由布登山でした。「やったーもういつ死んでもいい♪」というと、同行の家族が「せめて下山だけはしてくれ」と。天国の河野先生、それからあのときわたしを介抱してくれた先生のお知り合いで麓に住んでいらしたご夫婦、ありがとうございましたー!



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おそるおそる東峰の岩場を下っている最中、下から上って来たご夫婦に道を譲ってステージのように張り出している場所で待っているとき、ふと前方を見ると、マタエの間を流れる霧に自分の影が映っていました。これはもしかして先日「ブラタモリ富士山」でやっていた、御来迎(ブロッケン現象)?

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わー!ブロッケンですよ、と下から来たご夫婦としばし見て楽しみました。4人が並んでいても、見えるのは一人につき一つ、自分の影しか見えないって不思議です。必死に下っていたら気がつかなかったんだろうな、途中で立ち止まったから偶然出会えたのでした。

あとで写真を見ると、よくヨガとかスピリチュアル系のイラストにこういうのが描かれているけど、あれってほんとにこうなんだーと感心してしまったのでした。

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樹に生えるコケが面白い!年中霧で湿ってるんですね。

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下山しながらもいろいろな鳥の声がしていました。が、わたしにはよく聞き分けられません。ヒタキ類の声、シロハラの姿。

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なんだかザトウムシもちょっときれいに見える。

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登山道のあちこちに落ちていた赤い実。これはなんだろう?葉は落ちてしまって樹には実しか残っていませんでした。

帰って調べると「カナクギノキ」というのが似ているのですが。

下山後、湯布院のホテル夢想園の日帰り湯に立ち寄りました。ここの露天風呂は晴れていれば眺め最高、家族風呂料金追加無料なので、空いている平日の昼間ならおすすめです。午後3時半からは宿泊客専用になります。

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帰りに書店に寄って、郷土の本コーナーで見つけた本。地形、登山案内、伝説、信仰、文芸、絵画、動物、昆虫、植生、あらゆる角度から由布山について解説されています。特に虫がすごい。もう山頂に登るのは気が済んだので、機会があれば次は山腹の自然観察路を鶴見山までゆっくり歩けたらなあと思っています。登山口の反対側の青梅台(おうめんでえ)の方からの鳥の声が濃かったので、ここもチェックしたい。(もう死んでもいいんじゃなかったのか?)

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