「自然」という幻想: 多自然ガーデニングによる新しい自然保護

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「自然」という幻想: 多自然ガーデニングによる新しい自然保護 単行本 - 2018/7/16 Emma Marris (原著), エマ マリス (著), 岸 由二 (翻訳), 小宮 繁 (翻訳)

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【立ち読み用公開】「自然」という幻想 ――多自然ガーデニングによる新しい自然保護(エマ・マリス 著 岸由二・小宮繁 訳) - 草思社のblog

翻訳者がラジオに出演し、「手つかずの自然」とは、アメリカ発祥のカルト思想、と断言しているのを聞いて、読んでみました。

外来種×、在来種○、みたいなのをよく聞くけど、フィールドに出ていると、なにもかもそうとは言えないんじゃ?と思う場面がある。耕作放棄地に茂るアレチウリが、何もかもを飲み込んで低木をも覆ってしまっているのを見ると、嫌な気持ちになるが、冬になって里に下りてきたミヤマホオジロがそのタネをついばんでいるのを見ると、アレチウリがあってよかった!と思ってしまう。晩秋の花が少ないときに、コセンダングサやセイタカアワダチソウの花は、蝶たちにとって貴重な蜜源になっているし。

里山って、奈良時代に大陸からイネが渡ってきて、ヒトによって変えられた人口の自然ですよね。日本のそれ以前の自然からかなり変えられたはず。田んぼも残したいけれど、米の需要がないのに里山風景だけ維持するのは無理な気がする。

この本で著者は、現代人が思うところの「古き良き自然」に何が何でも戻すべきという考えが、ナンセンスだと論じていますが、だからといって何もしなくていい、というのとも違います。必ずしも過去の自然に戻す必要はないが、生物多様性は管理して守るべきと言っています。

(訳者は例として、池の水を抜くテレビ番組を挙げていますが、あれを見て楽しいのは外来種が駆除されるからでは無くて、ふだんよく見えない池の中に実はこんなのがいた!という単純な驚きだと思います。あまり心配しなくてもいいと思いますけど。。。)