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2005年6月 5日

バーレーンからラストレポートです:石川とら

例によってサッカーを追いかけて怒濤の取材旅行を慣行中の石川とらさんから生情報をもらっています。バーレン戦直後のレポートを紹介しましょう。このメールは6/4に届きました。

----- ここから (転載しないでね) ------------

どうも。バーレーンからラストレポートです。

試合が終わって、記者席からミックスゾーンに走る途中で、控え選手席から降りてきた小野伸二とバッタリ。
伸二が今日の勝利をいちばん喜んでいたかもしれません。
シビアな質問しかしないオジ記者に、「勝ってよかったー」とハイタッチの握手。
うれしそうでした。けがで欠場せざるをえなかった責任を彼は相当、感じていたと思います。
山を越すことができてよかったなあという気分になりました。
田島強化部長が(彼も眠ることができなかった日々が続いていたはず。田島さんも寝不足と肌荒れでヨレヨレ)、記者席の出口で記者たちを待っていて、「ありがとうございました、ありがとうございました」と感涙状態でした。
勝てば、まるく収まるという勝負の世界であります。

それでもね。まあ、嫌がられる話も聞かないといけないのですね、だれかが。
ジーコ監督と川淵キャプテンに、ずばり聞きました。
試合についてのコメントは、どこにでも出ていると思いますから、ひょっとしたらあまり出ていない話、書いておきます。
ジーコ監督に監督更迭問題について、聞きました。

協会幹部から今日のバーレーン戦に勝たないと、ジーコ監督更迭論というのが浮上しそうになった時期があったと思うのですが、そういうプレッシャーを今日は感じていらっしゃいましたか。
「そういうことはなかった。ただ、もうだめだよと言われたら、自分はいつでも身を引くつもりでいました。これはどんな監督でも同じだと思うけれども、自分は監督を引き受けてモンブランでサインしたときから、あんたはこれで終わりだよと言われたら、それでおしまいだと覚悟してきたので。一日一日を精一杯日本のためにがんばるという気持ちでやってきたから、そういうプレッシャーなんかはぜんぜん感じなかった」
今日の勝利でそれを払拭できたと思いますか?
「まだ本当に決まったわけじゃないからね。8日で決めたいと思っています」

「みんな、よかったよかったと言っているときに、石川のオヤジ、またあんな質問しちゃったよ」と、記者諸君からは「目テン状態」の顔をされてしまうのだけど。
こういう話を聞かないといけないときは、ぼくだって少しは気がとがめますから、ジーコにはエクスキューズします。
ジーコは「いいよ。それがお前の仕事なんだから。なんでも聞いていいよ」と言ってくれます。そのへんが彼を人間的には敬愛せざるをえないのだけどと、まえに書いたようなわけです。

川淵キャプテンにも同様の質問。
今日の勝利でジーコ監督の采配についてやや疑問に思っていた部分は払拭されましたか?
「疑問に思う人が思っているだけでね。おれが思っているわけじゃない。思っている人は勝手に思えばいい」

川淵さん、ぼくの質問にやや機嫌悪く、ジロリとにらんで、吐き捨てるような感じの答えでした。
川淵さんも、勝ち点3を喜んではいましたし、監督記者会見が終わるまでジーコを待っていて、お祝いにやってきて、2人で抱き合って喜んでいるシーンをカメラに撮らせていましたが、試合後、ずっとキャプテンの表情やコメントを見ていた限り、ジーコがよくやってくれたというニュアンスのねぎらいの言葉は少なかったですね。
ほかの幹部の喜びようとはちょっと違うというか、予定が狂ったなあという想いがあるのではという印象を感じました。
ジーコ監督更迭の可能性は、とりあえず立ち消えになるでしょう。
ただし、ジーコ監督がアジア予選をどう指揮してきたのかを、ちゃんと分析してそれなりの評価をすることを、サッカーメディアはもちろんだけど、協会内でそれをしないと、苦戦、苦戦の連続で、ただただ選手たちのがんばりで勝ち上がってきたということになり、協会とジーコとの意思疎通が改善されないまま、問題が取り残されるのではないかという危惧を感じます。
もちろん、ドイツ大会出場が決まってからのことではありますが、ドイツ大会で明確な目標設定を行い、また、それが今後の(4年先、8年先へとつながる)日本のサッカーレベルの向上へとつなげられる機会になったほうがいいに決まっているのですから。
そういう課題は、ジーコが勝手に考えるのではなく、協会はジーコ監督と契約する主体者なのですから、協会がジーコに明確な目標を強制すべきだとぼくは考えています。
シビアな緊張関係があったほうがいいというのがぼくの持論です。

3位バーレーンとこれで勝ち点差5。ドイツ大会出場は、ほぼ大丈夫でしょう。
最悪の場合、クウェートとの3位決定戦などというケースも考えていましたので、それを回避できたこと、ほっとしています。
9月のクウェートでサッカーというのは、気温42度くらいのところでやるわけでして(昨年、9月にクウェートに行きましたが、昼間気温48度でした。そういう気温というのは、熱い風呂に入ったときにお湯を揺らしたくないでしょう。歩いているだけで頭も顔もひりひりしてきて、熱波が上から下から襲いかかってくる感じです。地面は60度くらいになっていますから、下から熱波が反射してくる。ちょっとあそこまで歩いていこうなんていう気になれない)。
ここよりも暑いところはとてもこちらの体がもちません。
昨日だって、記者席はほとんど風が通らないので、気温35度くらいに上がりました。
ピッチ上は少し風がありましたが、この3日でいちばん気温が高かったから、気温31度前後、湿度60〜70%という状態だったと思います。
日本のコンビニサイズのペットボトルを、ゲーム中に3本飲みながら、汗ダラダラの観戦でした。
そういう高温下でのゲームだったので、後半にパスミスが多かったとか、あと1点どうして取れないんだというような批判を言う気分には、いっさいなりません。
バーレーンの選手たちが後半、足をつらせたように、シビアなゲームだったのです。
それを、ゲームをちゃんとコントロールして、きちんと「1−0」で勝った選手諸君の底力をほめてあげたい。

日本が勝ち点9、バーレーンは4のままですので、8日の「イラン−バーレーン」戦でバーレーンがイランにドローか敗戦で、2位以内確定。
「日本−北朝鮮」戦で、日本が勝てば、自力で2位以内確定です。
バンコクでドイツ大会出場が決まることになるでしょう。
コンフェデ杯に出かける意味も少しは出てきたかな。
(6月13日から7月5日までコンフェデでドイツに出かけます)

次はバンコク。気温はたぶんバーレーンと変わったものではないでしょう。
試合時間がちょっと早いので、気温はもっと上がるかもしれません。
湿度は確実に、タイはすでに雨季に入っていますので、90%くらいあるかもしれません。ピッチ状態は、スコールのために最悪でしょう。
北朝鮮、イランにやはり敗れましたから、4位敗退がほぼ決まりましたが、対日本戦ということで、北朝鮮の選手たちのモチベーションは高くなるでしょう。
中田英も三都主も俊輔もイエロー累積だったか。
W杯予選というのは、消耗戦なのです。北朝鮮だって故障選手、イエロー累積の選手が日本と同じようにいるはずです。
総力戦になったときに、バックアップの選手層の厚さの差が出てくると思います。
ジーコ・ジャパン、チームの志気や緊張感が、バーレーン戦で上がりました。
このままで突破してほしい。怪我人を出さずにと祈りたい気分です。

今日4日夜バーレーン発のフライトで関空に5日に戻り、6日に成田からバンコク。
こちらもあとひとふんばりです。ではまた。

バーレーン6月4日 石川とら。
----- ここまで(転載しないでね)  ----------

投稿者 oshige : 2005年6月 5日 12:32

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