« 槍ヶ岳開山 読了 | メイン | 950.4kmジョグ »
2010年10月 4日
「銀嶺の人(上)」読了
「銀嶺の人(上)」を読了した。山岳小説であることはわかっていたが、それ以上の予備知識無く読書を開始した。
場所は八ヶ岳だった。冬の八ヶ岳の横岳を縦走中に吹雪で道を失いギリギリの状態にある単独登山の女性クライマーの場面から始まった。ビバーク用の雪洞を掘り始めたところで探していた石室小屋が偶然見つかり、命からがら中に入るともう1人単独登山の女性クライマーが体を丸めていた。
なんと山ガールの話だった。しかし、この2人の山ガールは雪の八ヶ岳を単独で登るだけのことはあり強者だった。2人はビバーク中に出会ったロッククライミングの男性グループに誘われ、壁登りの魅力に取り憑かれる。そしてついにマッターホルンの北壁に挑戦する。成功すれば女性だけの登攀(とうはん)は世界初のことだ。
これまでに読んだ山歩きと違って、この本はロッククライミングだった。最初に八ヶ岳の赤岳、阿弥陀岳が出てきたのが小説の世界に入り込みやすくしたのは確かだが、この1カ月ぐらいにNHK BS hiで「日本の名峰」「グレートサミッツ」を観ていたので本に出てくる山々を観ていた。これがとてもタイムリーだった。
上巻の後半でマッターホルンを目指すのがわかったとき、下巻全部を使ってマッターホルンを攻めるのだろうと思っていたら、なんと上巻で制覇して終わった。これには驚いたというか、あっけに取られてしまった。確かに十分に緊張する場面の連続だったが、それにしてもあっけない。もう少し北壁にへばりついていたかった。
しかし、だとすると下巻はいったいどういう話になるのだろう?どの山を登るんだ?まさか恋愛話になったりしないだろうな・・・それはないと信じて下巻を読むことにしよう。
「孤高の人」「槍ヶ岳開山」と読んできたが、「孤高の人」より面白いかもしれない。
投稿者 oshige : 2010年10月 4日 22:45