夜中の2時半、モニタに向かって仕事に没頭する二人。
カチカチカチ
カチカチカチ
マウスの音だけが静かな部屋に響く。

カチカチカチ
カチカチカチ
カッカッカッ
カチカチカチ
カチカチカチ
カッカッカッ

カッカッカッ?
見るとシャミが壁に立て掛けた写真の額のガラスを叩いている。

「なにしてんの?」
カッカッカッ
「オイ、シャミ!」
カッカッカッ

「おまえも仕事が欲しいのか?」と美幸さんがシャミを抱き上げて膝に乗せた。「ここんとこ忙しくて構ってやらなかったからなあ」シャミは膝の上で空気が抜けたように眠った。「おまえもモニタが欲しかったんだよな、モニタ見ながらカチカチやりたかったんだろ?」そういう解釈もあるかもしれない。

99/12/11