はじめに

Flashサイト制作者の悩みを解決したフレームワーク

Progression4はフルFlashサイトからバナー、AIRアプリまで、さまざまなFlashコンテンツを作るために開発されたフレームワークです。インストールは簡単で、拡張機能ファイルをダウロードしたならば、ファイルをダブルクリックするだけでAdobe Extension Managerが起動しそのままインストールすれば終わりです。アンインストールもAdobe Extension Managerで選ぶだけでできるので気軽に試すことができます。Flash CS5にも対応したばかりで、これでFlash CS3、CS4、CS5の開発環境で安心して使えます。

Progression4の目的は、Flashサイト制作者が必ず直面するFlash内でのページ遷移の問題を解決することです。オープニング、メインメニュー、概要ページ、詳細ページのように階層ページがあるFlashサイトを作ろうとすると、そのページ遷移をどうナビゲートするかに悩みます。ブラウザの戻るボタンやページブックマークもゆゆしき問題です。Progression4はこの問題を見事に解決し、複雑なサイトもすっきりと組み立てます。まさにFlashサイト制作の常識を変えたフレームワークと言えるでしょう。

Progression4には、コンポーネントスタイル、タイムラインスタイル、クラススタイルの3つの開発スタイルがあります。コンポーネントスタイルはProgressionコンポーネントをステージにドロップしてプロパティを設定するだけでスクリプトをまったく書かずにサイトを組み上げるスタイル、タイムラインスタイルはコンポーネントとフレームアクションを組み合わせて開発するスタイル、クラススタイルはProgression4の充実のクラスライブラリを直接利用していくスタイルです。本書では1章でProgression4の導入として3つの開発スタイルについて「Hello World」から解説を始めています。2章以降はスクリプトを使った開発スタイルでの説明になりますが、逆に言えば、コンポーネントスタイルで制作する限りに置いては1章で解説した内容で十分に使いこなせるようになることを示しています。

ActionScript3がわかる人がProgression4のスクリプトを読むと見慣れないコマンドや手法に逆に戸惑う部分が少なからずあるでしょう。正直なところ筆者もその一人です。その試行錯誤を活かしてこの本を書いたとも言えます。もしあなたが、Progression4を始めたけれどどうにも先に進まないと迷い悩んでいるのならば、この本が水先案内になるに違いありません。Flashだけでなくあなた自身の拡張も解決です。

2010年6月22日 梅雨の合間。風も時間も止まっている茅ヶ崎の夕方。 大重美幸