5 10, 2011

内部被曝の脅威

内部被曝の脅威 ちくま新書(541) [新書] 肥田 舜太郎 (著), 鎌仲 ひとみ (著)

鎌仲ひとみ監督の「ヒバクシャ」という映画をWOWOWで偶然見たわたしは、そのドキュメンタリー手法のファンになった。映画にも出演していた肥田舜太郎先生の著書。巻末に鎌仲監督との対談がある。


以下メモ

原爆はこうして開発された」(山崎正勝編著 日野川静枝編著)
原爆犯罪-被爆者はなぜ放置されたか-」(椎名麻紗枝)
・原爆ぶらぶら病
死にすぎた赤ん坊―低レベル放射線の恐怖」(E.J.スターングラス)
・ベトカウ効果
・ホルミシス説(近藤宗平)
・フリーラジカル(近藤元治)
・バイスタンダード効果
・カクテル効果(市川定夫博士)
低線量内部被曝の脅威―原子炉周辺の健康破壊と疫学的立証の記録」J・M・グールド
・ケイシー・ルード(ハンフォードエリア監督官、スペースシャトルの事故により内部告発を決意)
プルトニウムファイル」(アイリーン・ウェルサム)


著者はヒロシマで自らも被曝し、直後から治療にあたった医師。ゲイル博士のように事故後しばらくして現地に入り少数の重症患者に技術的に高い医療を施して帰ってしまった人ではなくて、市井の被爆者を長期間にわたり診てきた人。

ヒロシマ後、アメリカの調査機関がやってきて、人体への影響を調べた(治療はせずに)。被曝の症例は口止めされ封印された。貴重な実験結果を東側に知られないため。被爆者は、自分の被曝と体調の不良に関係があると思っていても、表向き言うことができない場合があった。

肥田医師は多くの症例を見るうちに、低線量の被曝が健康に関連していると思わざるを得なくなってきた。そして調べるうちに、核兵器による物ではない被爆者が世界中にたくさんいることがわかってきた。。。

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体内に入った低線量放射線は酸素分子を、活性酸素に変える(フリーラジカル化)。フリーラジカルは数が少ないほど細胞に損傷を与える。数が多いとお互いぶつかりあって元の酸素分子に戻って非活性化する。

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アメリカ政府は内部被曝の存在を認めていない。しかし原爆開発の初期からプルトニウムを経口や注射で人体に入れる実験をしているのでわかっているはず。ゲイル博士も著書で「われわれは(博士とソ連の医師たち)内部からの被曝が存在すると考えざるを得なくなった」と数行だけだが書いている。

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ブックマークに「人体実験」というフォルダができてしまった。。。今回のような原発の事故は、症例集めの絶好の機会でもあるのだな。どんな医療もそのような側面があるとは思うけど。

事故から時間が経って次第に、そもそも原発の問題とは、エネルギー問題なのだろうか?という気がしてきた。ゲイル博士が著書に書いていたように「核廃棄物の問題が解決するまで、原発を新設するべきでない」と切に願う。すべては出ちゃった核のゴミをどうするか?ということに起因するのでは?大体、核の抑止力とかいってさんざん怖がらせといて、同じ物を役に立ちますよ安全ですよったって、無理だって!!同じものなんだから。

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「内部被曝」について

Peace Philosophy Centre: 必読:内部被ばくについて
Peace Philosophy Centre: 沢田昭二『放射線による内部被曝』-福島原発事故に関連して-

原子力資料情報室(CNIC) - 連載・低線量放射線の影響をめぐって(その1) - 被曝・放射線 - 資料室
原子力資料情報室(CNIC) - 連載・低線量放射線の影響をめぐって(その2) - 被曝・放射線 - 資料室
原子力資料情報室(CNIC) - 連載・低線量放射線の影響をめぐって(その3) - 被曝・放射線 - 資料室

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