動物にエサをあげますか?やりますか?

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

「めぐりあう時間たち」のラストシーン、幼い子を置いて家を出たローラが数十年後、息子の死を知って訪ねて来る。ドアの向こうに経つ晩年のローラ・ブラウン。その繊細な雰囲気。老婦人に扮したジュリアン・ムーアを見て、わたしの大叔母を思い出した。文学と絵画を愛した白髪のきれいな人。境遇もローラ・ブラウンと似ていた。

あるとき80歳を過ぎたその大叔母(K)と電話で話していて、ふと言われた言葉「動物や目下の者にごはんを『あげる』と言うのは変よ、そういうときは『やる』と言うでしょう」。なるほど、でも私は子どもの頃から犬や猫や小鳥にごはんを『あげて』いた気がする。家族から「○○ちゃんにごはんをあげなさい」って言われて育った気がする。そういえば家族である大人同志は「猫にエサやった?」とか言って『あげる』とは言ってなかった。
もしかして、当時の私はちっちゃいガキで犬猫クラスだったから、同等の犬猫にエサを『あげる』で正しかったのか?動物にエサを『あげる』のは子どもの使う言葉?大人になったら『やる』と言わなくちゃいけないんだろうか?
まあ理屈はどうあれ、それ以来わたしは動物にエサを『やって』いる。理由は大叔母にそう言われたから。

めぐりあう時間たち DTSスペシャルエディション (初回限定2枚組)

*このblogに出てくる私の大叔母は二人いて、どちらもカトリック信者でまぎらわしいので、イニシャルを付けました

ついでに書くと、気になる言葉で「〜しておられる」がある。これは祖母に注意されたのか、本で読んだのか忘れたけれど、「おる」は「いる」の方言。「いらっしゃる」の代わりに「おられる」などというのはとっても変な言い方だそう。じゃ、どう言えばいいのか?「いられる」が正解らしいのだが、そんな言い回しを使っている人見たことない。私が知っているのはただ一人、それは白洲正子さんです。故人になってしまいましたが。

そうそう、お婆さんに注意されたシリーズ、その3。これは祖母にピシャリと言われました。「何でも『すごい』と言うんじゃありません」「今の若い人は何でも『すごい』で済ます」のがとっても不満らしかったです。私が小学生の頃の話です。