スペースシャトルの落日~失われた24年間の真実~

とても読みやすくてわかりやすい、目からウロコの読み物である。スペースシャトルの問題点、今後の宇宙開発のあるべき姿、といった著者の主張したい点が明確に伝わってくるだけでなく、技術開発、特に巨大プロジェクトを進める上で、このスペースシャトル計画を反面教師として見るための教科書としても悪くない出来だと思う。

というのを読んで、図書館で借りて読みました。今度のシャトルに乗る予定の野口さんは茅ヶ崎出身で、地元では打ち上げ時に烏帽子岩をライトアップするとか、盛り上がっているようなのに、不吉なタイトルの本なのですが。。。そもそもスペースシャトルって何ですか?どうやって宇宙まで行くんですか?そんな基本的なこともとってもよくわかる本。

スペースシャトルの落日~失われた24年間の真実~

スペースシャトルはアポロ計画の次のステップとして、地上500kmの低軌道(ちなみに月は380,000km)と地上を何度も往復するために開発された。そのためアポロのように使い捨てでなく、同じ機体を何度も使い回すことにして翼を付けた。全部で6機が建造され、博物館にある試験機が1機、2機を事故で失い、現役は3機。シャトルの製造ラインは1992年にすでに閉鎖されていて、シャトル計画は2010年で終了予定だそうです。

そもそも有翼の多目的機という設計コンセプトが間違っていた上、アポロ計画終了後の業界の雇用を維持するためという政治的な干渉が入ったために無駄に巨大な計画になってしまい、方向の修正ができず責任の所在もうやむやになってしまった。。。と著者はこの計画の全体を冷静に分析しています。シャトルダメージから再起するためには?日本の宇宙開発はこれからどうあるべきか?この本の結論は。。。

(茅ヶ崎図書館でタッチの差で予約した方、これ明日返しますからね〜)