クックブックに見るアメリカ食の謎

だらだら書き足しています。

ツール・ド・フランスで7連覇という偉業をなしとげたランス・アームストロングは「ツールで総合優勝するには、2回のタイム・トライアルと1回のアタックでいいんだ。」と語っていました。つまり21日間のうち本気を出すのは3日でいい、というわけです。

(もちろんそれが楽だというわけではありません。3回の力の爆発のために、その他の18日間をアシストに支えてもらいながら、慎重にミスをしないよう集中して過ごさねばなりません。個人の感性や能力を抑えて、エースという役回りを徹底的にこなす、その気苦労、プレッシャーは大変なものでしょう。)

そういう戦略は特にランスの属するディスカバリーチームのオリジナルというわけではなくて、総合優勝を狙うチームにとっては基本なのですが、7連覇をとげた歴史的な日のインタビューで、ランスからこの言葉が出たことに「ああ、アメリカ人だなあ」と思わずにはいられませんでした。「〜のためには、〜するだけでいい。」という言葉を何度アメリカ人から聞いたことか。

そしてこれ。

しかし、マクドナルドだけを食べて、ただ痩せたわけではない。メラブさんは、マクドナルド商品のカロリーを全て暗記していて、一日のカロリーを1200~1400kcalになるように計算していたのだ。

なるほど、マクドナルドはどこでも同じメニューなのでカロリー計算が簡単。適性カロリーを摂るという基本的なことをクリアしやすい。栄養のバランスが心配ですけど、難しいことをあれこれ考えずにすむので続けやすい。マクドナルドダイエットはダイエット界の公文式?

クックブックに見るアメリカ食の謎

このようなことを考えつつ、図書館でイタリア料理の本を探していて、ふと目に付いた本。アメリカにおける食材と料理の歴史なんですが、出てくるメニューがちっともおいしそうじゃない笑。食を楽しむというよりはサバイバルの手段としての料理なんです。それはそれで非常に興味深いのですが。

アメリカにおける食の価値とは「おいしい」よりも「いつでもどこでも同じ味で安心」らしいと著者は言います。それは、自由、平等、機会均等といった建国の精神によるものかもしれない、そしてこの食の普遍化に対する欲求を実現可能にしているのは、冷蔵庫とスーパーマーケットと輸送体制だと。