科学とオカルト--際限なき「コントロール願望」のゆくえ

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私家版・ユダヤ文化論 (新書)

まだぼんやりしていて言葉にならないが忘れそうなので記録。

ちょっと昔までは、有名な科学者や思想家といえども、物事の結果には必ず原因があるという考え方が一般的だった。悪い事が起こるとその影には何か陰謀が潜んでいるのでは?と考えずにはいられない人はまだ多い。(私がメルマガをとっている「田中宇の国際ニュース解説」もそうだし。一応目を通すけど、氏の国際情勢に関する予測はけっこうはずれる。

しかしそれは、万能の救世主のような存在を望まずにはいられない人間の善の部分と対になっている。(私家版・ユダヤ文化論より)

人種、文明にかかわらず多くの人が似たような考え方をするというのは、ヒトの脳がそういう風にできているからだと思われるけど、今ふと思いつくに、ある文明における成長と衰退の過程は、人間の成長過程に似ていないだろうか。

子どものころは親の存在が全てで万能な親に生活の全てを支配される(中世暗黒時代)。思春期を経て親から独立する頃、言動が暴力的になりケンカが強いと思い込む(大航海と植民地支配時代)。30を過ぎる頃多少落ち着き、自分は何もかもわかってるもんねといい気になっている(現代)。

または車の運転だ。教習所では教官に頼らざるを得ず一人で路上に出るなど怖くて考えられない(中世暗黒時代)。免許を手にして1年ぐらいは、車を自由に操る万能感に浸ってスピードを出しすぎて事故を起こす(大航海と植民地支配時代)。自分はベテランドライバーだといい気になって初心を忘れている(現代)。

さて問題は老人期なんですが、どうなるんでしょう?イスラム、インド、中国文明に学びたいところだけど。。。

私家版・ユダヤ文化論を読むと、ユダヤ人って、いじめられっ子の転校生みたいだなあと気がついたんだけど、ユダヤ陰謀説など「根拠はないけど、もしかしてすべての根源はアレでは?」という人類に共通した感じ方はいじめの構造と関係あるのか?

・身の回りで起きる不快な出来事はすべて時の権力者のせいだ
・天災や政変の際にUFOが現われる

なんかも、いじめの構造と関係があるんだろうか。