ネコたちをめぐる世界

ネコたちをめぐる世界 (新書)

猫グッズのコレクションや、味のあるイラストがページをめくるごとに出てきて楽しいです。

ほうと思った事2つ。一つ目は、著者の飼い猫が、捕ってきたネズミは食べるが、ヒミズ(小さなモグラの一種)を食べない事。ヒミズは死んでいるが目立った外傷がない事。そういえば、うちのシャミもそうだった。シャミは簡単に捕れるというヒミズしか持って帰らなかったけど。ヒミズは本当に死んでいたのだろうか。

二つ目は、たとえば猫が机の上を歩くとき、置いてあるノートやペンケースは踏まないよう律義によける。けど、本やキーボードの上はかまわず歩く。踏んでいいものといけないものの境目はどこにあるのか?ある期間動かずに同じ場所にあればいいのか?足の裏に不安を感じないものなのか?

シャミは台所のカウンターに飛び乗る。カウンターには皿とかまな板とか包丁とかボウルとかいろんなものがあり、毎回配置が違う。床からはカウンターの上が見えない。とりあえず飛び上がり、着地するまでの一瞬にどこに脚を着けるか判断するようだ。置いてあるものを踏んでしまう事はない。すごい能力だと思う。

あるとき珍しく何かの袋の端に脚が着いてしまった事がある。そのとき、シャミは「しまった、大変なことをした!」という感じでそそくさと隅の方へ行きしばらく遠くを見て時間が過ぎるのを待っていた。私に「コラ」としかられても全然へーきなくせに、シャミ自身によるルールには弱い。

シャミは自分で自分に複雑な規律を課している。椅子に乗る時はまずその周りを左回りにグルグル回るとか。わざわざ必要のない約束事を果たす事で、昨日の世界と今日の世界が同じ事を確かめているのか?