カルチェ・ラタンで思い出したが、小林秀雄の有名な言葉「花の美しさはない、美しい花はある」は、バルザックの「ゴリオ爺さん 」からの引用だ、というのを読んだ。
丸谷 才一・三浦 雅士・鹿島 茂、三氏による、もし今文学全集を作るとしたらどういうのにする?という対談。作家を目指す若い人が、これを読んでおけば息の長い作家活動を続けられるのではないか、文学作品を書く技術、基礎体力をつけるなら、という選考基準。前半が世界文学編で、後半が日本文学。文学賞メッタ切りぽくバッサバッサ。各人の個性が出ていておもしろい。
ロシア通、バレエ通の三浦雅士さんが挙げるロシア文学は、読んだ事がなくてもバレエ作品になっているものは大体見ているので、その世界がワーっと蘇って、採用されるとうれしい。
三氏とも理屈に関係なくこれは絶対入れたいと合意したのがリルケ。三浦氏は「ありがとうございました」とまで言う。バーチャル全集なのに!
そして人気なかったのが三島由紀夫と小林秀雄、埴谷雄高。堀辰雄に至っては「恥を知れ」とまで罵倒されている。堀辰雄はわたしもいらないと思うけど、立原道造は入れてほしかった。。。人に何と言われても好きなんだもん。いやでも、この文学全集の意図を考えると、ハンパに立原道造風な詩人が出てきたらいやだな。簡単に真似されたくない。