火を熾す

火を熾す (柴田元幸翻訳叢書―ジャック・ロンドン) (単行本)

いかに寒いかが熱く語られる。読んでるこっちだって寒いんだよ。手が凍えてページをめくるのもやっとなのに、その語り口調がしつこく熱い。読者は主人公の2倍疲れて、連れて行かれた地の果ての結末がそれかい!

犬も犬じゃ。アリステア・マクラウドの「冬の犬」の犬の爪の垢でも煎じて。。。
と、思い出した。昔、母に映画「グラン・ブルー」を見せたとき、「ラストがやりきれない」と涙ぐんだのを見て、わたしはあわてて話を付け足した「あの後、イルカさんたちが来て助けてくれたに決まってんじゃん」。あの犬にもそれを期待する。