原発をどうするか、みんなで決める

原発をどうするか、みんなで決める――国民投票へ向けて (岩波ブックレット) [単行本(ソフトカバー)]<br />
飯田 哲也 (著), 今井 一 (著), 杉田 敦 (著), マエキタ ミヤコ (著), 宮台 真司 (著)

5人の対談形式のブックレット。この国民投票を実現させようという試みはネットで知っていたが、正直「だいじょぶなのか?」「望まない結果が出たら逆効果では?」とちょっと及び腰だった。今読み終えて、やってみる価値あるかもと思い始めている。

以下メモ

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飯田 哲也
富を分け合う政治からリスクを分け合う政治へ
危険社会―新しい近代への道 (叢書・ウニベルシタス) [単行本]ウルリヒ ベック (著), Ulrich Beck (原著), 東 廉 (翻訳), 伊藤 美登里 (翻訳)

社会、経済、科学技術の複雑さが増すとともに、政治家も国民も誰もが素人であり、ある分野ではプロである。従来型の代議制民主主義だけで、そうした現代社会に広がっている多様なリスクにかかわる問題を決めるのは無理がある。新しい時代の政治が求められる。それをベックは「サブ政治」と呼んでいる。


宮台 真司
有力議員、有力経済人、有力官僚のトライアングル既得権益者が、住民自治化プランと衝突する。人々が依存から自立へ、共同体自治が進むと、エネルギーの共同体自治にそぐわない電源は否定されるようになる。自動的に脱原発へ。電源の技術的合理性よりも、政治文化・制度の改良に注意を集中するべき。


飯田 哲也
1980年、スウェーデンでの国民投票の際は、投票まで1年間かけて18歳以上のすべての国民が徹底的に学習した。国民投票においては、結論よりもこうしたプロセスが重要。


今井 一
日本で最初に住民投票が行われたのは、新潟県巻町
r2: デモクラシー・リフレクション―巻町住民投票の社会学
当初、住民投票に反対する人たちは、「住民投票は衆愚」「住民エゴ」と批判を展開したが、今はそういう批判がなくなった。衆愚に陥ってはいない事実の積み重ねがあったから。議員よりも多くの市民が問題について深く学習して議論し、十分な判断力を身につけたから。

過去に日本で原発の住民投票を実施した地域は、三重県海山町、新潟県刈羽村、同巻町。原発反対派が圧勝。しかしその前後の選挙では反対派が敗北。吉野川の可動堰、名護市辺野古のヘリポート基地建設でも同様。各地の反対派は選挙では勝てないけど住民投票では多数を制している。住民投票後の選挙で負けても、これらの自治体では未だに原発も可動堰も作られていないし、プルサーマルも導入されていない。住民投票時に示された主権者の多数意志は今でもちゃんと尊重されている。


宮台 真司
宮代先生の3つのスローガン
・<任せて文句を言う社会>から<引き受けて考える社会>へ
・<空気に縛られる社会>から<知識を尊重する社会>へ
・<行政に従って褒美をもらう社会>から<善いことをすると儲かる社会>へ