原発と自治体――「核害」とどう向き合うか

原発と自治体――「核害」とどう向き合うか (岩波ブックレット) [単行本(ソフトカバー)] 金井 利之 (著)

自治体という立場で、公害の一種「核害」にどう対処するかという問題が簡潔にまとめられている。

2章からなり、1章目は被災自治体に起こる問題。今まさに起こっていることそのもの。自治体ごとの帰還か移転か、さらに「核処分場シナリオ」という過酷な選択も加わるようになる。帰還シナリオにともなう第2の安全神話の危険性。乳幼児や若い人に必要な配慮など残留自治体の心得。核害を克服するか風化を待つか。克服自治体のジレンマとして、今後住民が安全に暮らせるには原発関係の専門家のアドバイスが必要になるが核害をもたらした彼らを住民が受け入れがたい、安全が再確認されればさらに原発立地が進む、など。


2章目は、原発立地点の未災自治体が備えておくべきこと。著者が強調しているのは、緊急時に未災自治体が避難用のバスを自らの手で確保できること。立地自治体が自ら避難を決定するためには、自前でバスの手配ができなければならない。国土交通省などにたよっていては避難が遅れてしまう。