神、人を喰う―人身御供の民俗学

神、人を喰う―人身御供の民俗学 [単行本] 六車 由実 (著)

人身御供の記録の研究ですね。神に捧げた供物はあとでみんなで分けて食べることになってますから、食人の研究でもあります。大森貝塚からは、貝殻と人骨が区別された跡なく発見されたので、当時の縄文人は食人していたのではないかとモースは疑ったらしい。ニューギニアの一部でかつて食人の習慣があって、人が人の脳を食べていた。それでヤコブ病が蔓延したと本で読んだことがあります。ルース・ベネディクト「日本人の行動パターン」によると、日本人の倫理体系にメラネシア・ニューギニアと共通するところがあるそうなので、もしかして。。。と思うのですが。。。でもいやですよねえ。著者は、その嫌悪感は、食べられる側になったときの恐怖って書いてますけど、私だったら衛生上いやです。いろんな病気や菌が移りそう。

食べない犠牲としては、「人柱」というのがあります。われわれの業界では、まだ開発途上にある製品に先行投資する奇特な人という意味で使われますが(わたしたちは初期のアップル社を支えた人柱)、わたしの故郷大分では有名なリアル人柱がいます。「初瀬(はつせ)」さんといって、彼女の名前が付いた灌漑用の井路が大分川沿いにえんえんと延びています。

小学生の頃、学区内に初瀬井路の管理事務所と石碑があり「生きたまま埋められた」という話に震え上がりました。それ以来石碑のそばを通るとき、おそろしくてドキドキしていましたが、この年になってふとwebで詳しく調べてみると、初瀬さんが埋められたのは、その石碑のそばではなくて、ずーっと遠くのかなり上流のほうだったのですね。

ところで、初瀬井路のことをwebで検索したら出てきたのが
初瀬ものがたり
だったんですが、これはどこの誰が描いたのか?とリンクをたどると
町役場まんが分室
というサイトの一部でした。著者はわたしと同年代で同じ大分市内で過ごした方のようです。にしても、町役場っていいな、ちょっとうらやましい。