反知性主義: アメリカが生んだ「熱病」の正体

反知性主義: アメリカが生んだ「熱病」の正体 (新潮選書) 森本 あんり  (著)

「日本における反知性主義」を読んで、なんかしっくり来ないなーと思って、本家アメリカの元祖「反知性主義」について書かれている本を読んでみました。

アメリカの反知性主義の原点にあるのは、知性そのものへの反感ではなくて、知性の使い道への警戒心。知性が特権階級の独占物になり世襲によって固定されることへの反感。知性が本来の専門分野を離れて政治経済と結びつき権威を象徴するようになることへの反感。単に頭がいいヤツが憎いというのとは違う。らしいです。

(著書では書かれていないけど、わたしが思うにたとえば日本における「御用学者」への反発心が近いかな。)

その背後には、徹底した平等主義がある。キリスト教と密接に関わっているのは、(神の御名の下では)人はみな平等なのが保証されているから。だそうです。

しかし、反知性主義が有効になるには、相手と互角に渡り合えるだけの知性が必要。でなければ単なる負け惜しみと思われると、著者は締めています。