澤田美喜記念館

大磯駅前の聖ステパノ学園の敷地内の「澤田美喜記念館」は隠れキリシタンの遺物のコレクションで有名です。毎年学園祭ステパノ祭りの日に校内の「海の見えるホール」で「こまたん」によるアオバトの講演会があります(誰でも無料予約無用)。講演会の帰りに記念館に立ち寄りました。戦国時代のキリシタンは藩主や上流武士が多かったため、遺物は工芸品としてのクオリティが高く見応えがあります。この展示室の最奥に小さな廟があります。そこをのぞいて見ていると、管理人さんらしい年配の男性が「そこは澤田さんとエリザベスサンダーホーム出身の人の霊廟になっています」と教えてくれました。学園&エリザベスサンダーホームという澤田さんの「意志」を表すモノ、歴史的な遺物という「知性」を表すモノ、その奥にこの「心」を表す心臓部があったのかと、思わず頭を垂れて手を合わせました。私は特定の宗教は信じていないけれど、敬虔という感情はわかる。

学芸員さんの話

魔鏡のオリジナルはここ一つ。澤田美喜が五島の焼失した民家の焼け跡から引き取る。出雲大社に献上している鏡師3代目が、奈良国立博物館を通して借り受け1987年に再現。3つ制作しここに1つ(レプリカとして展示)、ローマ法王に献上、本人所持。4代目が小さい魔境を制作、今5代目、後継者無し(裁ちバサミ制作者も途絶える)。魔鏡の注文者も制作者も関わる人全員が隠れキリシタンだった。このような特殊な技術を持つ人が仲間にいたほど、キリシタンの層が厚かったという証明。

フランス人神父が使用していた聖具、香合など素晴らしい細工の高価なものが多い。神父たちの実家が資産家なため。フランス王家の紋章が入ったものもある。3〜30億円相当の投資が布教に使われた。教会、オルガン、病院、女性が働くためのパスタ工場(そうめん)。香合は茶道にも使われた。帛紗を使う作法など典礼と茶道はほぼ同じ。教会の中に茶室があった例も。大名に布教するため。
当時のことを聞いてもフーンと思うだけだが、実在した遺物を見ると現代とつながって見える。

パンとぶどう酒を、炒り米と清酒で代用した。
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書きかけで続きを忘れたため、ここまでで公開します。