Yの真実-危うい男たちの進化論

Yの真実-危うい男たちの進化論 (単行本)

男性によって代々受け継がれるY遺伝子。それってそんなに大事なものなんだろうか?という疑問。そんなに大事なら、その塩基配列を調べて記録を取っておけば?遺伝子が解く!万世一系のひみつによれば、生身のヒトの系統が途絶えても同じY遺伝子を持つ男性は日本にかなりたくさんいるそうだから、別に困らないんじゃない?そして世界中の同じ遺伝子を持った男性の分布状況を明らかにしてほしい。そうすれば日本人、特に代々続いている名家の男性が元々はどこから来た人たちなのかわかるだろう。もしもそういうことが明らかになると困ると言うなら、困るようなものなんだから遺伝子など元々どうでもいいものなのだということでは?

訳者は福岡伸一、、、って最近聞いたよなと思ったら、「プリオン説は本当か?」の人だった。訳者あとがきに

「遺伝子の悪しき擬人化」を見ていていささか食傷せざるをえない。遺伝子に目的はなく、淘汰も遺伝子のレベルで起こりうるものではない。

とあるのを見て、なるほどと思った。言われてみりゃその通りだ。なんとなく遺伝子に意志があるような解釈はおもしろいし、手っ取り早く納得してしまう。これから気をつけよう。