9 03, 2011

3つの原理―セックス・年齢・社会階層が未来を突き動かす

3つの原理―セックス・年齢・社会階層が未来を突き動かす [単行本] ローレンス・トーブ (著), 神田 昌典 (監修), 金子 宣子 (翻訳)

内田樹氏がいつか推薦していた本。
・カースト
・性
・年齢
の3つの視点から人類の歴史を解き明かそうとする試み。

著者は東京在住の外国人。このカーストのモデルは、古代ヒンドゥーの神話からヒントを得たものだそう。

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カースト交代のプロセス。

旧カーストの支配する中心地域である第一世界の辺境、旧カーストの力が及ばず、いまだ旧カーストのさらに以前のカーストの力が残っている地域(第二世界)において、革命が起きる。

第一世界での新カーストの台頭は、革命でなくおだやかな発展的な道のりをたどる。旧カーストは、上昇カーストにしか動かせない新たなシステムの必要性を生み出す。下降カーストは、新システムを機能させるために上昇カーストを雇い入れ、やがてこの新カーストはボスを解雇し、あるいは引退に追い込む。(またもや思うガンジーの言うとおりだ)

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文明の成長過程が、ヒトの年齢による成長と似ている、とはわたしも思っていた。ので即理解。

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男女の性を陰と陽に分けて解説。わたしは恋愛対象は男性の女性だが(美しい男性には興味あるが、女性には興味なし)、頭の中、基本的な考え方・感性などは男性に近いところがある。これは父親によって後天的にそう訓練された&影響を受けた教師や上司がみな男性だった、ところによると思う。いやでも、あたし他の女子となんかちがうとはっきり意識したのは小学校5、6年だったからなあ。両方の性別の考え方がわかるので、かえって違いがよくわからない。りっちゃん、なんかちがうよね、と言われても、自分では自分のことがよくわからないのだ。

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日本は今「労働者カースト」の時代で、次に来る「精神・宗教の時代Ⅱ」を迎えつつあるらしい。その精神とは儒教。極東の日本・中国・朝鮮による儒教ブロックができて栄えると。儒教ブロックは大東亜共栄圏と同じ場所をカバー。ただし戦前に日本が支配していた偽装「商人カーストの時代」とは違うモノ。「労働者カースト」の平等主義と連携の精神による。ヨーロッパのEUのようなもの。精神的中心=中国(EUにおけるフランス)、経済の中心=日本or韓国(EUにおけるドイツ)ぽいんじゃないか?日本にとっては順応が難しいかも。日本人は他人と対等な関係を結ぶのに慣れていない。個人対個人でも、国対国でも。

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儒教ねえ。そうよね、日本語に敬語があるのも儒教の影響よね。おばあちゃんの机の上には漢語の本が並んでた。昔は教養と言えば四書五経だったのね。

儒教の影響があまりに体に染みついているので、日本人である自分にはよくわからないのかもしれないが、わたしにとって日本とは、稲作の国だわ。イネという植物がヒトを養い、イネに寄生する動物ヒトは稲作に適応した社会を作ってきた。天皇制とか。日本人のチームワークがいいのは、その名残り。

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巻末に4つのカースト・性・年齢のモデル、各時代におけるカーストの勃興図など、図表があり、それを最初に見ておくと内容を理解しやすい。

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