9 03, 2011

現代科学論の名著

現代科学論の名著 (中公新書) [新書] 村上 陽一郎 (編集)

「物理・化学から考える環境問題―科学する市民になるために」で吉岡 斉によるパラダイムの説明を読んで、へーそうでしたか。。。と思ったわたし。「科学革命の政治学―科学から見た現代史」を図書館の棚に戻したとき、隣にあった本。パラパラめくると、クーン「科学革命の構造」についての項があって、つい借りてしまった。

よく目にするパラダイム論の原典「科学革命の構造」が出版されたのは1962年。(非常に地味な「科学論」という分野ながら、世界的な大ベストセラーになった。)クーンは、物理系の大学院生だったとき、文系の学生に講義するに当たり、歴史的な観点でやってみようと思った。そしてアリストテレス力学をニュートン力学で説明しようとして無理なことに気がつく。両者には互換性がまったくない。

歴史を通じて一つの科学が存在し、時と共に発展してきたとふつう思われていることは間違い。科学の歴史は、一貫した連続的な進歩の歴史ではなく、非連続な幾つもの系の連鎖として理解すべき。その一つ一つの系が「パラダイム」。

メモ:参考図書
・科学革命の構造 トーマス・クーン (著), 中山 茂 (翻訳)
・科学革命における本質的緊張―トーマス・クーン論文集(トーマス クーン)
・パラダイムでたどる科学の歴史 中山 茂 (著)
・パラダイムとは何か クーンの科学史革命 (野家 啓一)
・マートン科学社会学の歩み―エピソードで綴る回想録 R.K.マートン (著), 成定 薫 (翻訳)

つぎつぎいろいろ出てくる〜。

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