「魔女の1ダース」だったか、「ガセネッタとシモネッタ」だったか忘れたが「芋づる式読書法」というタイトルのエッセイで紹介されていたユーゴ関係の本。旧ユーゴスラヴィアでとっても悲惨な内戦があったのは誰でも知っているけど、どうしてそんなことになったのか、ちゃんと言える人は少ないとおもう。
「ユーゴスラヴィア—衝突する歴史と抗争する文明」はそれを明解に説明してくれる本。序章を読んで早くもちょっとグッタリ。言語によるコミュニケーションが閉ざされた相手と交渉する手段が暴力しかなかったセルヴィア。でも欧米経由のニュースで悪者扱いされていたセルヴィア人の立場は、もしかして他人事ではないかも。今の日本の国際語はお金しかない。日本の主張に世界が耳を貸してくれるのは「経済協力」という単語を含む時だけだろう。はー。とおもいつつ、
「バルカンをフィールドワークする」を読む。この本は「言語地理学」の先生が「月刊言語」に連載していた文章だそうだけど、大変おもしろく味付けしてあって、笑ったりへーボタンを押したりしているうちにあっと言う間に全部読んでしまう。お風呂で読んでいて没頭してしまい、私がお風呂場で倒れてるんじゃないかと家人が心配して見に来たぐらい。国際ニュースや映画で知るユーゴスラヴィア人って、何考えとンのじゃ?一体!だけど、著者が調査をする上で知り合ったマケドニア、セルヴィアの人たちは生き生きしている。巻末には著者がよく作る、日本にある材料でできるバルカン料理のレシピまでついている。うまかった現地の味、作ってくれた人の思い出と一緒に。
旧ユーゴの歴史を知るにはこれ!というのが「石の花」だそう。これはマンガで図書館で予約してるのだけど、人気が高いらしくなかなか順番が回ってこない。