『プラン・オブ・アタック』

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:
JMM最新号

『from 911/USAレポート』 第142回

「一冊の本が描き出す世界」

ところで、このメールマガジンはバックナンバーが最新号しか見れないので、発行頻度によっては数時間しか見れないときがあります。昨日配信された、読者投稿で秋山 寛さんという方が、

「政府が人質を救出したことは、あくまでも政府の意思です。

 たとえ家族が救出を依頼していても、政府には救出をしないという選択肢を選ぶ権
利もあるわけです。今回の事件も、「マスコミで報道され、日本の有権者の多くがこ
の事実を知った」ということがなければ、これほど熱心に救出に力を尽くしたでしょ
うか。人道的見地から、国の責務から、国が救出を行うのは義務だと思っている方も
多いかもしれませんが、北朝鮮の拉致被害者のケースを考えて見てください、いくら
要請しても政府が動かないなんて事はザラじゃないですか。実際、紛争地帯で行方不
明になった援助関係者は他にもいますが、家族が外務省に要請しても捜索を行うこと
すら希で、ほとんどは「現地の大使館に関係した情報は来ていない」という答が帰っ
てくるばかりです。

 どのような動機であれ政府の意思決定で行われた活動ですから、政府がそのコスト
を負担するのは当然です。そして、そのコスト負担という意思決定に不満があれば、
株主総会で経営陣の責任を問うように、選挙という場で意思決定を行った政府に対し
て不満の意思表示を行うということになるのではないでしょうか。ましてや、自衛隊
の撤退という超政治マターは、人質となった人間には、責任のない話です。

 今回の当事者に費用を負担しろという意見は、「自己責任」という言葉を使い「自
立した個人」を装っていますが、実は、屈折した政府への甘えを示しているのではな
いでしょうか。本当に自己責任というなら救出をする必要はありません。家族の要請
には、「No」と言うべきです(犯人非難の声明を出すくらいはするでしょうが)。

 この誘拐事件の影響でNGOを通じた援助も影響を受けるでしょうが、知っておい
て頂きたいのは、援助にはいろいろな方法があるということです。現地へ行く方法も
あれば、日本で行う活動もあります。本当にイラクの人々のことを思うのであれば、
とにかく自分で可能な方法でアクションを起こすこと、続けることだと思います。」
とおっしゃっています。