4 23, 2004

捕鯨問題

私は捕鯨に反対する人は「牛は食べるくせに鯨はかわいそうなんて言う大馬鹿モノ」だと思っていた。そんな人の主張に耳を貸す必要はないと思っていた。

しかしあるとき、その印象を決定づけた人気マンガには水産庁の息が掛かっていたというウワサを聞き、調べてみた。それが本当かどうかまではわからなかったが、初めて知った反捕鯨論者の言い分は私が思い込んでいたものとは全く違うものだった。

彼らの主張は「近年漁獲量が減っているのを、海の大型捕食動物である鯨を駆除する事によって手っ取り早く解決するのはやめてほしい。それよりも、根本原因である海洋汚染の問題や環境保護に取り組んでほしい」というものだった。

そして海水の問題は水が注ぎ込む川の上流の陸の問題でもある。「公共事業のためにいたずらにダムや堰を作るのはやめてほしい」「農薬や化学肥料を規制してほしい」と。

マンガは所詮娯楽なので責められない。この件で得た教訓は、メディア操作はナショナリズムとセットになっているという事。その当時私は日本人である事を確認するかのように意識して鯨を食べていた。10年以上たった今、ふと振り返ると、別に鯨なんか食べても食べなくても日本人でいるために不自由しない事に気がつく。

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