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経団連が、武器輸出三原則と宇宙の平和利用原則を見直すようにという提言をしたようです。経済合理性の観点から、このことをどう考えればいいのでしょうか。

自国民の安全を守る安全保障の問題は、経済合理性によって議論されるべきものではない
気がします。(信州大学大学院特任教授:真壁昭夫)

アメリカが護る世界の枠組みの中で一定の役割を果たすためには、どうしても武器輸出三原則が邪魔になるので、考慮して欲しいという極めて真っ当な議論がなされており、条件反射的に反対を唱えることはやめた方が良いと思います(...ロッキードマーチンの総売上高に占める防衛事業の売上高は87.8%なのに対し、三菱重工業のそれは13.4%...)(三菱証券 IRコンサルティング室長 三ツ谷誠)

日本経団連の意見書には「安心・安全に係る研究開発予算を十分に確保し」などというフレーズがありますが、国民の安全を質に取ったかのような「おねだり」には気を付けなければなりません。日本の防衛関連産業というぐうたら息子に一言いうとすれば「拗ねるな。小遣いは増やしてやらないけれど、もっと自由にしていいから、進路は自分で考えろ」とでも
なるのでしょうか。(UFJ総合研究所 金融本部主任研究員 兼 企業年金研究所取締役 山崎元)

ただ、もしこの武器輸出三原則や宇宙の平和利用原則を緩和するならば、日本政府が買い付ける兵器も、完全競争入札にすべきです。そして、政府は、性能と価格の観点から客観的評価で、兵器の選択をするべきであり、兵器産業だけを保護すべきではないでしょう。そうしなければ、逆に保護による経済不合理性を生み出すことになり、国民に多大なコストと犠牲を強いることになります。今回この提言をするからには、国民の利益の観点から、そこまで経団連や政府は覚悟すべきではないでしょうか。(経済評論家:津田栄)

今回の提言で評価できる点は、海外との共同研究開発への参加や予算面での研究開発費の確保を求める一方、軍事技術開発の民間へのスピンオフといった波及効果については慎重な立場をとっており、むしろ民間技術の軍事利用という方向性が強いという点を明確にしている点です。(外資系運用会社 企画・営業部門勤務:金井伸郎)