8 18, 2004

おばあちゃん

私の祖母は富美子(ふみこ)という名前です
明治生まれのチャキチャキの江戸っ子でした

祖母は若い頃
子供にしつけをするべきかどうか
悩んだ事があったそうです

「戦争中ね、毎日空から爆弾が落ちてきてね
 まだ小さかったお前のお父さんの
 寝顔を見ながら考えたよ
 この子にしつけをしようか
 それともしないでおこうか

 どうせみんな死んでしまうなら、
 きびしくしてもかわいそうなだけだろう?
 毎日ただ笑ってすごした方がいいじゃないか

 でもね、万が一生き残った時
 しつけをされてないと大変だからね」

「それでどうしたの」

「もしかしたら死なずにすむかもしれない
 その方にかけてみたのさ」

まだ小さな私の甥や姪が将来
自分の子供にしつけをするべきか悩む
そんなことがまた日本に起こりませんように
そして日本がそのような悲しみを他国に輸出しませんように


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