私の祖母は富美子(ふみこ)という名前です
明治生まれのチャキチャキの江戸っ子でした
祖母は若い頃
子供にしつけをするべきかどうか
悩んだ事があったそうです
「戦争中ね、毎日空から爆弾が落ちてきてね
まだ小さかったお前のお父さんの
寝顔を見ながら考えたよ
この子にしつけをしようか
それともしないでおこうか
どうせみんな死んでしまうなら、
きびしくしてもかわいそうなだけだろう?
毎日ただ笑ってすごした方がいいじゃないか
でもね、万が一生き残った時
しつけをされてないと大変だからね」
「それでどうしたの」
「もしかしたら死なずにすむかもしれない
その方にかけてみたのさ」
まだ小さな私の甥や姪が将来
自分の子供にしつけをするべきか悩む
そんなことがまた日本に起こりませんように
そして日本がそのような悲しみを他国に輸出しませんように