一番上のが江ノ島、真ん中と下は茅ヶ崎漁港です。この堤防の上はみぞれ混じりの突風が吹いていて、飛ばされそうでとっても怖かったのです。そして運動神経が切れてる私は、灯台の灯が光る瞬間にシャッターを押せなくて、泣きました。

気温が下って海水との温度差で、海から湯気が上がっています。水面が動物の背中のようです。風を切って走る白い毛の動物。重装備で海岸まで行くと誰もいなくて、地面が雪で明るくて、歌いながら歩いているうちに、とっても寒いのに一人なのに、楽しくなってしまいました。
ガンコ親父の孤独な戦いの記録。この本が出たのは1996年、著者の必死の抗議のおかげか?、当時と比べるとあちこちで無意味なアナウンスが減った気がする。筆者は大学の先生で専門分野は哲学。先週まで読んでいたリスク管理の本と比べると対照的でおもしろい。
これも環境問題の一つだと思うけど、「水俣病などのひどい公害を経験したという事情から、日本で一般的に環境リスクとは、イコール人間の死や病気である。だから、人に被害がないと問題にされにくい、そこが日本以外の国における環境リスクの捕らえ方と違うところである。」から始まる環境リスク論のスマートさとは正反対。人を説得するにもいろんなやり方があるもんだと思う。
坂本龍一が「人間の五感のうちでもっとも制度化されやすいのは耳だ」と何かで書いていた。フィルターやフタがついてるのかと思うほど、慣らされやすく、意図的に聞かないこともできる。初めての場所では人はいろんな音に注意をはらうけど、毎日同じ音を聞いている人はその音を聞いていない。そして不特定多数に対する音の呼びかけは、それが自分に言われているとは人は思わないんだな。