7 10, 2006

アマツバメ

少し記憶が薄れてきたので、やはり記録しておかなくてはとおもう。一昨年の夏まで毎年、漁港の天井の高いコンクリートの建物に、イワツバメが営巣していた。素材は泥。漁港の前に水たまりがあって、その泥を運んでいるのを見た。イワツバメはツバメより少し小さく、春ツバメより遅く来て、秋には早く帰る。ツバメのように速いスピードで飛ぶ鳥をシルエットだけで同定するのはむずかしい。私は尾がチョキに割れているのがツバメ、それ以外はイワツバメといい加減に判断していた。

一昨年の秋、イワツバメは6羽だけがいつまでたっても南に渡らず越冬した。初夏の繁殖期になると、また漁港の建物の巣に出入りし始めた(ツバメが巣を作るのは繁殖のためで、繁殖期以外は集団で野原とか河原とかで暮らしています)。ある日見に行くと、巣の入り口に今までなかったもの。。。羽毛の敷物が入り口からはみ出ているのが見えた。

それからまたしばらくして見に行くと、巣から黒いものがぶら下がっていた。釣り人が捨てた釣り糸を巣材として持ち込んだはいいが、糸が足に絡まって飛べなくなり餓死したイワツバメだった。それが2羽。巣がある天井はとても高くて人にはどうすることもできない。イワツバメは姿を見せなくなった。

それからまたしばらくして、ツバメではないツバメ類を見るようになった。イワツバメが帰ってきたのか?と思っていた。そしてある日、ふとこれはイワツバメではないと気がついた。大きさがツバメよりむしろ大きく、翼が長い。いつも上空高くにいて、ツバメのように地上近くを飛ぶ事はない。

図鑑を見ると、それはアマツバメ、またはヒメアマツバメらしい。日本で越冬し、イワツバメの巣をリフォームして羽毛を足して使うとある。ということは、私がイワツバメ帰らないなあと思っていた時、あれはすでにアマツバメ(またはヒメアマツバメ)だったわけだ。

今年のアマツバメは8羽。夕方になると漁港の建物に集合する。ピリリリと鳴きながら。でもあいつらが巣にいるのを見た事ない。それに巣はかなり劣化してきた。アマツバメはカーテンやカーペットを取り換える事は出来ても、ぬり壁の修復とかガテン系の仕事はできないんだろうか。

図鑑には、アマツバメは繁殖期以外はずっと空中にいると言われている、とあった。そんなことはない。冬の朝、小学校の体育館の屋根に止って暖まっているのを見たし、ときどき漁港の電線にも止っている。

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