ブラティスラヴァ世界絵本原画展

やっとでき上がった大重シリーズアイコンを持って、夕方yo氏は東京へ。私は車で馬入橋を渡り平塚へ。10月1日までの絵本原画展を見に。平塚市美術館はなんとこの会期中連日7時まで開いています。すばらしい。

平塚市美術館/企画展示
世界の絵本がやってきた
ブラティスラヴァ世界絵本原画展
特別展示 チャペック兄弟、ラダ、トゥルンカ チェコ絵本の黄金時代

静かな夜の美術館。絵を勉強している風の若い人がチラホラいるだけ。たぶん昼間はお子さん連れでにぎやかなんだろうな。絵だけでなくておもちゃの展示もあって楽しい雰囲気です。

グランプリ受賞のイランの作家の絵はマチエールも陰影も深くあたたかくて素晴らしい作品でした。絵本の原画を見て毎回おもうこと、それは「小さい」。絵本の原寸なんです。そこにあんな細かく小さく何重にも技術を重ねて描けるとは。若いうちでないとできませんね。

世界の作家の原画は、作家自身のイメージでビッシリ固められています。対して日本の作家は絵の具が乗っていない余白がきいています。海外の作家の濃い味を見たあとでは、ちょっと物足りないかも?と思うのですが、印刷されて絵本になったものを見ると、それがいーい感じなのです。会場ではソファの上に原画の絵本も用意されていて自由に見る事ができます。


瀬川康男の「ひな」はコラージュのように見える繊細な表現。この方は名作「いないいないばあ」の方なんですね。

ひな (単行本)


宇野亜喜良の「りゅうのおくりもの」は大迫力の飛び出す絵本。ちょっと怖いのがいいですねえ。舞台は江ノ島なんですけど、お土産屋さんなんかにも置いてあるのかなあ。宇野亜喜良の絵本ですよ。なんちゅうオシャレなお土産になることか。これは「とびだす!妖怪のえほん」シリーズだそうです。
◇仕掛け絵本プロジェクト2004 ■第1回 
日本絵本賞受賞絵本原画展

りゅうのおくりもの--江ノ島妖怪伝


「どい かや」さんの「チリとチリリ」は色鉛筆でとってもきれいでかわいい。小さな二人の女の子が自転車に乗ってあちこち行くのがいいわあ。「チリとチリリうみのおはなし」も見たい。

チリとチリリ (単行本)

チリとチリリうみのおはなし (単行本)


そして今回わたしてきグランプリはこれ長谷川 義史さんです。

どこどこどこ--いってきまーす (大型本)

この絵の前で、ブホッと声が出て、バッグからメガネを取り出しました。ああ、これは誰かと一緒に見たい。製本された絵本も手に取りまして、じっくり見ました。これおもしろいよねえ。あたりを見回すのですが、若い人たちはあまり興味がなさそうです。オバサンさみしい。


そして第2部はチェコの代表的絵本作家のコーナー。「ダーシェンカ 子犬の生活」のカレル・チャペック、トゥルンカ、ラダなどの有名な絵。おっと思ったのは、セコラのアリさんシリーズが出ていた事。ずっと前、ユトレヒトで面白い絵本を見た。主人公がぎっくり腰のアリで、なんとジャージ着てるんですよ。その名も「アリさんあいたたた」。ずっと気になってたんです。


【polamal se mravenecek】
Josef Kozisek/著 Nakreslil Ondrej Sekora/絵


他にもブタさんの絵のお肉屋さんのポスターや、黒ビールの宣伝用のイラストなどもかわいかったです。

この企画展はこの後地方を巡回するそうです。平塚での図版は売り切れで、どうしてもほしければ出版元に現金書留で申し込むようにということでした。首都圏ですと2007年1月20日〜3月11日、三鷹市民ギャラリーでもあります。