ああ、耳が痛いです。いつだったか冷蔵庫が故障して数日使えなかったとき、冷蔵庫の中身を全部出してみて、いろんな物を発掘した身としては。それを戒めとして、今ではちゃんと食材を循環させているけれど。それはクックパッドのおかげもあるかなあ。つまり、レシピのレパートリーが大事なのです。今ある材料を使ってちょうどいいものを作るっていう。ほんと助かりますよ、クックパッド。
本書は、本を読むというよりも居酒屋で先輩の話をきいているような、ライブで曲を聴いているような感じです。軽快な語り口なんだけど、著者は「昔はよかったなあ」式の懐古主義者でもなく、「あいつらにはわかんねえ」式の国粋主義者でもなく、現実を経済的な裏付けから分析し、消費者としての自分の感情も客観的に観察している、非常に合理的な精神の持ち主だと思います。