疲れない体をつくる「和」の身体作法

疲れない体をつくる「和」の身体作法―能に学ぶ深層筋エクササイズ (単行本)

能のエクササイズって、バレエと共通なところが多いとまたまた実感。「すり足」が深層筋をつくるというのを読んで、バレエレッスンでロンジャンアテール(片足を軸にし、もう片足をすり足で回す)をやる意味がわかったし。

そして、この本を読んだ収穫は、姿勢を決めるスイッチが指先にある、とわかったこと。図解の通りに、親指と人さし指を軽く合わせる、能の「カマエ」の形をすると、自然に骨盤の角度、体の重心の位置が決まるではないですか。それをバレエの指の形(広隆寺の半跏思惟像の右手の中指だけをふっとのばした感じ)にすると、自動的に重心が20cmほど上に移動する。そして元に戻すとまた重心が下る。指の型のスイッチを変えるだけで、自動的に!

無理にダイエットしなくても、必用な瞬間だけ痩せて見える方法がある、それは体を縦に伸ばす、姿勢をよくするってことなんですが、姿勢をよくするっていったって、具体的にどうすればいいのか素人の人には難しい。

わたしは子どものころからずっと姿勢が悪いと言われ続けていました。今も気を抜くと、いやほとんどの時間は気を抜いてますが、猫背です。バレエを習って初めて、いい姿勢とはどんななのかがわかりました。これは自分ではなかなかわからないものだと思います。

生まれつきの身体上の弱点も含めて、外見について情け容赦なく指摘され、くせを直され、それを自分でも認めることができて、やっとわかったのです。(オオシゲさん、あなたはカオがダメ!って何度も言われた^^;)人はなんとなく、そうは言っても自分はイケテルと根拠なく思い込んでいるところがあると思います。それを打ち砕かれるのに、相当な時間と投資が必用でした。

それがですよ、体幹を意識するなんて難しい事をしなくても、指の型だけでも、ある程度はできる。そこにもっと早く気がつけばよかった。

指の型が決まっているといえば、仏像ですけど。あれはやっぱり仏像のモデルさんが、長時間同一のポーズを続けられるよう、指のスイッチを入れてたんだと思うな。

今度、国立博物館の法隆寺宝物館に行くことがあったら、指の型と体の重心の位置の関係を見てみよう。あの暗い部屋に小さな仏様がずらりと並んでいるのを見ると、圧倒されて吐きそうになるけど。いや、あそこはすごいですよ。