先週の爆問の先生、中田力氏。この人の研究の内容について、肝心なことが全くわからんかった。図書館で著書を検索して、とりあえず在庫があったのを読んで見た。
コペルニクス、ガリレオ、ニュートン、アインシュタイン、ハイゼンベルグ、ラマヌジャン、ノイマン、ホーキング。なぜか天才は冬に生れているという序章。けどそれがこの本のテーマではないことはじきわかる。
「哲学のなぐさめ」と同様の構成。歴史的な科学者の生い立ちと業績について、難解な用語を使わずに、簡潔に述べられている。科学史の絵本ともいえる。その絵とは1ページを使って表わされる公式だけど。明解で美しく、ほっとする。あっという間に読み進むうち、科学と世界の関わりについてなんとなく感じる仕組みになっている。
印象に残ったのは「核兵器の拡散に最終的なブレーキをかけたのは、アインシュタインの手がけた平和運動ではなく、ノイマンのゲームの理論だった」という部分。
昨年末に初めて知ったショックな事実を思い出す。広島はともかく、長崎への原爆投下はデータを取るための実験だった、という。
ノーベル賞を勘違いした日本人:日経ビジネスオンライン
(以下はコラムニスト伊東 乾氏の推測)ノーベル財団は、核開発に関わった科学者にノーベル賞を授与するにあたり、被害国の日本人にも与えてバランスを取った。川端康成の自殺はその事と無関係ではない。