「よく言ってくれた」と思う。加藤陽子「それでも日本人は戦争を選んだ」に出てくる水野廣徳の「日本は戦争をする資格の無い国」説と同じくらい、真実だとおもうな。
私は司馬遼太郎が好きで「街道をゆく」シリーズやエッセイ集はほとんど読んでいる。その司馬遼太郎が「坂の上の雲」で、日露戦争の頃の日本が絶頂期と書いているというくだりが出てくるが、果たしてそうかなと思う。確かに国としてはあのロシアを負かしてすごかったかもしれない。けど一般の人たちは本当に幸せだったんだろうか?司馬さんが今生きていたらどうだろう?
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とここまで書いて、ハワード・ジンの「学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史」を読み始める。TUP-Bulletinで岸本和世さんの「君はハワード・ジンを知っているか?」を読んで、一読しておこうと思って。
「学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史」は「民衆のアメリカ史」を子ども向けに書き直したもので、字が大きくわかりやすい内容になっている。たしかにリベラルサイドから見たアメリカ史は、こうやって体系化されたものを読んだことがなかったので興味深い。が、子ども向けだからすぐ読めるだろうと思っていたら、これがなかなか退屈で。。。
歴史教科書だから眠くなるのか?歴史じゃなしに、個人の物語として描かれたものならたくさんあるよな、アリス・ウォーカーの「カラー・パープル」とか。。。と思ったら、アリス・ウォーカーはハワード・ジンの教え子だった!
wikiによると「学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史」にも出てくる、ペンタゴン・ペーパーを受け取った識者とは、この本の著者ハワード・ジン本人だったとも。昔は急進派でとんがっていたのかもしれないが、今はおじいちゃんになっている(2010年1月87歳で逝去)この人のお話をYouTubeで見ると、懐かしい感じがする。君たちは何よりもかけがえのない存在だと教えてくれた人が、いつも口にしていた言葉を思い出す。
内田樹の「9条どうでしょう」だったか「疲れすぎて眠れぬ夜のために」だったかにあった言葉。憲法9条を守りたいという気持ちはどこから湧いてくるのか?それは理屈ではなくて、大切な人にそう教えられたから。懐かしくその思い出を大事に思う気持ちゆえだと。それを読んだとたんわたしの目から涙があふれ出た。その涙におどろいて、そうだったのか。。。と思ったのだった。
「冬の犬」にも書いたが、大切な人には、大切なもの。その人を守ってくれる大事なことを慎重に選んで残さなければならないとおもう。