内容は
を見てのとおり。「人はなぜ放射線に弱いか」に書かれていた、良性の甲状腺腫瘍もすべて被曝のせいにして不要な手術をした、というのは間違いと確信。ちゃんと検査して悪性のものだけを治療している。チェルノブイリの事故の影響により、子どもの甲状腺悪性腫瘍が増加したのは事実。ただ、ベラルーシは内陸で、恒常的にヨウ素が不足しているため、海産物をよく食べる日本とは事情がちがうとも著者は書いている。
この本は、人としての生き方の選択について書かれた本でもある。注目したのは、著者が「自分が受け入れられたのは、(甲状腺手術の)スペシャリストだったから。ピンポイントで必要とされる高度な技術を持っていたからで、でなければ かえって受け入れ先の負担になるだけだったろう」と語っているところ。
非情に狭い分野で何かを突き詰めて追求するという生き方でも、それがかえって不特定多数の多くの人を助けることになる、長くつらい修行の先にあったものが、たくさんの人を助けるというご褒美だったとしたら、最終的にその人生はなんと恵まれたうらやましいものか。
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チェルノブイリの経験を生かして悲劇を回避せよ----松本市長/医師・菅谷昭《下》(1) | インタビュー | 投資・経済・ビジネスの東洋経済オンライン