ノーベル賞への批判。科学の発見が軍需産業と二人三脚であることを忘れてはならない。
この本には書かれていないが、以前、伊東乾氏のコラムで読んだ話。原爆の開発にも寄与した物理学の発見にノーベル賞を贈るに際し、被爆国である日本人にも賞を授与してバランスを取った。川端康成の自殺はそのことと無関係ではない。
それ以来、外国人が「美しい」とか「秩序がある」とかほめてくれるたび「ふぅぅーん」と思ってしまう。ノーベル賞ってったって、しょせんヨーロッパの人の価値観による彼らの賞なのだわ。ツール・ド・フランスと同じ。それを越境して認められることにはとても価値があるのも事実だけど、それがすべてではないと知っていることも大事ね。