著者は難民支援活動家。それがある日一転、難病を発病し、自分が治療難民になってしまった。自分が難民として生きてみると、外から難民の生活を見ていただけではわからなかったことが見えてくる。いかに仲がよくても血がつながっていても、人の好意や支援には限界がある。大事なのは法の整備。ところが、当事者になるまで、人はそういうことに無関心。ある日突然足を取られてから、あるはずの柵や手すりにつかまろうとするが、ものすごく昔につくられて手入れされていなかったヤツとか、あるいは何もないこともある。法の制定には時間がかかる。困ってからどうこうしてといっても遅い。
あと、イケメンや美しい人は存在するだけで周りの人を幸せにするって、わかるな。高校時代、卒業生が教育実習に来た。その実習生が授業をすると、いつも眠そうな生徒たちが目をらんらんと輝かせて授業に集中してる、特に女子!!とオッサンの先生はぼやいてましたね。くま先生も嫉妬したんでしょうね。こんなに自分が面倒見てんのに、そっちの方が100倍回復効果あるのかい!とね。
自分の価値はなんだろか?がんばって何か結果を出さなければ認められないのか?子どもの頃から親の関心を引くためにずっといい子でなければならなかった人は、そういうライフスタイルが身についている(チェーザレのように)。
病気でも、何もできなくても、ただ存在するだけで愛してくれる、そんな人は貴重だ。がんばらなくていいんだよ、元々いいところがたくさんあるんだから。そう言われたら、すがってしまうな。それでも、この人といたら自分はダメになると思ってしまう時も来るんだけど。
この前に「リトルフォレスト」を読んだけど、この主人公イチコちゃんと、大野さんが重なって見えちゃう箇所もあった。
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