屍者の帝国

屍者の帝国 [単行本] 伊藤 計劃 (著), 円城 塔 (著)

まあなんつうか、小学校5年生までに男の子が読んでおくべき本、の登場人物で構成された、冒険活劇。屍者という設定は興味深いので、仕方なく最後まで読んだけど、すごく眠かった。生と死はいいんだけど、生物として同等に大切なことである繁殖の問題(恋愛・交尾・出産・育児)が出てこないからね。

この屍者についての表現で思い出すのは、ギリシャ美術の墓碑彫刻。死者は生前同様に暮らしているのだけど、うつろに遠くを見ていて周りの生者と目を会わせない。生者の視線は死者に注がれている。ので、登場人物が多くても、誰が死者なのかはすぐわかる。あの時代にすでに屍者がいたのか?と想像してしまうニャ。