big band

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学生時代に所属していたビッグバンドのクラブから、毎年2回春と秋に演奏会の招待状が来ます。もともとは父がジャズ好きで、家にあった父のレコードを聴いてわたしもジャズファンになったぐらいなので、いつもは父が私たちの代わりにOBのような顔をして聴きにいってくれていました。今年は偶然その時期に大分にいるということで、初めて父と二人で出かけてみました。

会場は母校の学生会館。母校はとんでもなく校外の広大な敷地の中にあります。昔は、北海道大学に次いで全国2番目に広いキャンパスと言われていました。というわけで、ウグイスやホトトギスの声がデフォルト。スイングジャズとホトトギスというオツなシチュエーション。夜だったらノウサギやイタチも聴きにきたかも。

今回は、大分大学スイングブラザーズと長年親しい、熊本商科大学(現在は熊本学園大学)コズミックマインドオーケストラが客演でした。スイングは昔から全体のハーモニーはまとまっているけど、お堅いバンド。一方コズミックマインドは芸達者で個性が光る。その伝統は30年以上経っても変わっていませんでした。学生が在籍するのは4年でどんどんメンバーは変わるのに、不思議なものだなあと思います。

父は耳が遠くなって、人の話し声を聞き分けるのが難しくなってきています。が、生バンドの音楽はよく聞こえるらしく、帰りの車の中で「老人ホームを回って演奏すればいいんじゃないか、下手でも若いやつが演奏するのを聴いて喜ぶ年寄りがいるはずだ」と高揚して話していました。

その言葉で、学生時代に別府にある障害者施設「太陽の家」のお祭りで演奏させてもらったことを思い出しました。ボランティア気分で行ったのですが、太陽の家のスタッフやお客さんは、われわれ学生をアーティストとして扱ってくれ、報酬まで払ってくれました。「太陽の家」はどこか他の施設とひと味違うなあと思っていましたが、大人になってある日偶然見た新聞で、太陽の家の経営方針が紹介されていて、だからだったのかとぼんやりおもったのでした。