夏の終わりの日

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雨が続いた8月最終週の日曜、朝4時に起きて支度をし、5時に自転車で家を出る。新湘南大橋の温度計は19℃。134号線沿いの平塚南図書館に寄って返却ポストに本を返す。久しぶりに薄日が差して、路面が乾いてきた。大磯の照ヶ崎のプール前に自転車を停めるとイソヒヨドリの声がプールの中から聞こえた。防波堤に上がると、あそこにいるよ、と教えてもらった。みんなでビーチクリーンをして、アオバトやハヤブサを観察。解散後、自転車を飛ばして帰宅し、汗だくの服を着替え、家人にお昼を作って、15分だけベッドに倒れ込み、時間だよーという声で起きて、今度は駅までママチャリ。電車で平塚駅。駅前のビルでまたみんなと合流していろいろやって解散後、トンボ帰り。家に帰るや、蚊に刺されない服に着替えて、ヘッドライトをつかんで、晩ご飯は自分でどうにかしてね、と家人に言い残して自転車に飛び乗り必死にこぐ。ふだんは通らない直登コースで丘を一つ越えて、また七曲がりの急坂を登って、アオダイショウが車にひかれて干物になっているのを自転車のタイヤで牽いて直後に気がついてキャーと叫びながら、自分でも信じられない記録で奇跡的に集合時刻前に到着!里山公園の「茅ヶ崎野外博物館主催 鳴く虫観察会」

これ去年、来たかったの。今年はその日って知らなくて、当日に教えていただいて、急遽参加させてもらったのでした。

30人の老若男女と先生たち。先生の両脇には大きな捕虫網を持った手下の子どもたちがいて、先生の指示で言われた虫をとってきます。

 ショウリョウバッタモドキ
 涙目のツチイナゴ

歩きながら、今日会ったばかりの瞳がきれいなお嬢さんから、ペリットの中のネズミやコウモリの同定方法を教えていただいて、そのお話がおもしろかった!

 アカボシゴマダラ、クロコノマチョウ

谷戸に下りたところで、トンボとコウモリたちが日暮れ後の青い光の中を飛んでいました。これをヤンマ類の「たそがれ飛翔」というそうです。ネアカヨツヤンマ(レア)、ヤブヤンマ、ギンヤンマだそうです。わたしには黒い点にしか見えないトンボが、先生は一瞬にしてわかるのはなぜなのか?シルエットがちがうでしょうって微笑みながらおっしゃるが。。。

 ブッシュの中でエンマコオロギ。この声は西浜での初認は8/12でした。
 
 クビキリギリス 今幼虫、成体で冬を越す 頭が尖ってる
 クサキリ すでに成虫 頭の尖りが少ない
 シブイロカヤキリ クビキリギリスより低い音 成虫

 アオマツムシ、クツワムシ

甲高いアオマツムシの声に囲まれると方向感覚が狂うというか、今どこにいるのかわからなくなる感じ。バリのウブドで大量の虫の声に包まれて、人っ子一人いない真っ暗な夜道の中に「なにかいる!何かがギッシリつまってる!」と。その日の昼間ネカ美術館で見た神話のシーンがよみがえり、あれは想像じゃない、実在すると思った。その瞬間は。あの感覚。

 カマキリ 夜、目が黒くなる
 ウスイトトンボ 夜寝ているときは下にぶら下がる

 エゾカタビラオサムシ プールの消毒の匂い

名前を忘れたけど、地面で飛び上がる虫。子どもたちが呼び集められて、大人が「虫さんが疲れるからもうやめて」というまでいじられていた。それを眺めていた、手下の大きな子が「○○(虫の名前が思い出せない)は人気だな、オレも最初ははまったよ、フッ」と。虫好きの子が虫好きの大人になる段階を見た。

ふだんなら、ひとりではとても怖くていけない夜の里山公園。今日は大勢で行ったのでこわくなかった!自然好きな人たちと一緒にいる安心感。虫の名前も教えていただいて、無知な私にとってはとらえどころのない暗闇だった場所が、少しそうではなくなったような。草原の向こうの暗い林を見ていると、虫の声による不思議な感覚は薄らいでしまったような気がした。気のせいかな?

帰りは急斜面をほとんど落下。観察中にハンガーノック気味になっていたが、夜道の方が車が少なく路面近く以外の余計な情報が遮断され、集中して乗れた。