これ見ちゃったら、もう穴の開いた草の前を通るたびに立ち止まっちゃって大変!
ヒメツチハンミョウという虫は幼虫の時にハチの幼虫に寄生する。寄生するためにはハチの成虫が花を訪れるのを待って取り付き巣穴まで運ばれる。花までは別のハチによって運ばれる。そのハチに運ばれるためにそのハチが羽化する場所の近くに産卵する。寄生するハチと花まで運ぶハチは種類が決まっている。しかし!マニュアル通りに行くとは限らない。何千個と言う卵から1〜2個が成功すればいい方。奇跡的な成功率に種の存続を賭ける生き方。それもすごいが、このような生態を調べた著者もすごい。絵も細部まで正確でありながらキモくない。酷なストーリーでありながら静かで落ち着いたトーンで全体の調和が取れている。
クモ本体を見てもなかなか見分けられないし、マジマジと見るとちょっとこわい。クモの巣のパターンで識別するならそれほどでもないね。