この春、家の前の公園のサンゴジュにアブラムシとナミテントウが大量発生。前を通るたびに成長段階を見る機会があった。また、丘陵地では初めてカメノコテントウという大きくてゴージャスなテントウムシと出会った。それはオニグルミの樹で、その谷川沿いのすべてのオニグルミは大量発生したクルミハムシによって葉が食べ尽くされていた。帰宅してから調べると、カメノコテントウはクルミハムシの幼虫を食べるとあった。
そんなことがあって「テントウムシの島めぐり」という本が目に入り読んでみました。それからしばらくして、instagramでテントウムシの写真に「いいね」をくれた人のアカウント情報を見ると、テントウムシの生態を研究した内容を含む本を出版したとあり、読んでみることにしました。
また「すごい」か、とタイトルにうんざりするも、この内容は本当にすごかった。この本のどこがすごいかは、amazonのレビューに(誰か知らない人が)書いてあるが、クリサキテントウ(先に「テントウムシの島めぐり」を読んでおいてよかった!)の一見不合理に見える生態の合理性を解き明かしていく、その過程がドラマチック!実際にやってることは地味だけど。三浦しおんさんに小説にしてもらったあと、映画化してほしい。
ナショジオ日本語版のサイトのニュース2017/7/10に
卵の丸さ、飛行能力で決まる? 鳥1400種から解明|ナショジオ|NIKKEI STYLE
という記事があり、卵の丸さと鳥の飛行能力に相関関係があることはわかったが、なぜなのかはわからないとあったが、その答えは「すごい進化」に書いてある!と声に出てしまった。誰も居ない部屋でiPhoneに向かってですが。。。
オイコノミア「分かって得する!原因と結果の経済学」 - NHK
進化の「適応」と「制約」の話が、経済学の番組で語られていたことと似ているなーと思いながら読んでいると、本文にも
生き物の行動を人間の経済活動に喩えるのは、行き過ぎた寓話ではありません。(p.157)
現に生態学は、利益と損失のバランスだけでなく、もっと多くの理論を経済学から借用してきました。(p.157) とあった。
中公新書のすごいシリーズ。ちょっと前に、本川達雄さんがラジオに出演されてサンゴについて語られるのをきいて(もちろん生放送で歌もご披露されました)。
「白化現象が進むサンゴに何が起きているのか」荻上チキ×本川達雄×山城秀之▼4月25日(火)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」22時~)
著書のあと書きを見ると「すごい進化」と同じ編集者だった。ちなみに「昆虫はすごい」(丸山宗利)は光文社新書です。「昆虫はすごい」は、Macを持たずに実家に帰省したときに読み、小さなスケッチブックに手書きでメモを残していました。それを読むと、今話題のヒアリにも天敵が居て、それがヒアリよりさらに恐ろしい。名前からしてナマクビノミバエ(生首蚤蝿)です。この寄生蝿のやり方はほんとにホラー。楳図かずお先生にマンガにしてほしい。
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メモ:
クリサキテントウが、不味い・栄養不足・捕まえにくい・マツオオアブラムシを餌とするのは、異種の異性と交配してしまう無駄を防ぐため。あえていばらの道を行くことで、交配の成功率を上げている。(自転車レースで、上り坂など誰もが苦しい場所で、あえてアタックする福島兄(自転車選手)みたい)
同様のことが不完全な擬態でも言える。
一度に産卵する卵。小さく多くか、大きく少なくか。母体に比べて大きい卵を産むには、縦長になる。