現代ロシアの最新軍事戦略

現代ロシアの軍事戦略 (ちくま新書) 新書 - 2021/5/8<br />
小泉 悠  (著)

ラジオで、ロシアの軍事の専門家のお話が面白かったので本を読んでみました。著者は自称ロシア軍事のオタク。かつての軍事大国ロシアが、今やってる小技の戦略に興味があったのと、なぜアメリカ大統領選に介入してきたのか?ロシアにとって一体何の得があったのか?知りたかったので。

【音声配信】特集「未来への戦争に備える、現代ロシアの最新軍事戦略とは」小泉悠(東京大学先端科学技術研究センター・特任助教)×荻上チキ▼2021年5月31日(月)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session」平日15時半~)

著者は、従来の重火器を使った地上部隊による大がかりな戦争に対する、ハイブリッド戦争(情報操作、テロ活動、遠隔操作による攻撃など)が出現してくるが、それはあくまでも脇役であると釘を刺しています。

西欧諸国にとっては理解できないロシアの様々な工作、国内政治への介入は、なぜ起こるのか?ソ連時代に比べて失われたとはいえ、ロシアが自国の勢力圏と認識する地域が、NATOなどの西欧軍事圏に飲み込まれていくのを、ロシア政府に対する侵害ととらえ、それを抑止(戦略的に防ぐ)しようとするからと著者は述べています。旧ソ連の領土下の国が民主化するのを、ロシアは攻撃されたとみなし対抗策を打って出てくると。ロシア政府の見解では、民衆という者は自ら考え動く者では無い、必ずどこかの誰か(敵の回し者)に操られている、のでその敵を押さえ込まなければならないという図式だそう。

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今回のオリンピック中、ベラルーシの選手が羽田空港で亡命を希望、ポーランドが受け入れるという事件がありました。ああこれまさにヤバイケースということになるのでは?と思っていたら、ベラルーシからウクライナへの亡命を助ける団体のメンバーが死体となって発見されるというニュースが。これはまさに ベラルーシ(ロシア)からのわかりやすい、わかりやすすぎるメッセージでは?オリンピック中、NHKBS1のワールドニュースはお休み。替わりにTVKのBBCワールドニュースを見ていますが、この件をずっとやっていました。