時差ボケ

ぼくのボケはすでにかなり進行している。
とくに時間経過の認識についての症状が顕著だ。
たとえば、何かを初めて見たとする。あるいは読んだとする。体験したでもよい。
その時点では「これ初めてだ」と認識して記憶する。
しかし、しばらくそのことを考えているうちに、
「いや、もしかしたら以前にも見たかもしれない。読んだ記憶がある」
という感覚が雲が湧くようにひろがってくる。
その理由は、さっき初めて経験したという認識がうまく時間軸に納まらないからだ。
初めての経験も、そのことを考えているうちに以前から知っていたことのように思い出されてしまうのだ。

「はじめまして。あれ?ちょっと痩せました?」