徒花

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突然ですが、「徒」という字を何と読むか、どういう意味か知ってますか?
徒の付く熟語といえば「生徒」や「徒歩」を思いつくわけで、だったら「と」ですね。ていうか、「と」以外の読み方なんて思い当たらないという人も少なくないでしょう。意味としては・・・やっぱ「歩く」ですよね。

では、「徒花」という熟語を見たことがあります?

これは「あだばな」と読みます。その意味は、咲いても実を付けない花のことで、これが転じて見かけだけで実を伴なわない様を言います。というわけで、「あだ」とも読むわけです。ここでの徒は、空しいとかいう意味になります。徒然(つれづれ)という言葉はこの意味の「徒」ですな。読み方が違いますが鹿児島には「とぜんね」という方言があります。

「徒歩」ですが、実はコレは「かち」とも読み「徒士」とも書きます。その意味は、騎乗を許されない階級の武士のこと。おまいらは歩けってことですね。
で、実際には「徒」1字でも「かち」と読みます。と、ここで「おっ!」と思った人もいるのでは。上野と秋葉原の間、「御徒町(おかちまち)」ですね。きっと徒士が住んでいたんでしょう。

「と」という読み方のとき、徒には仲間、やから、という意味もあります。でも、暴徒とか無頼(ぶらい)の徒とかで使われるところ見ると、あんまりいいグループではなさそう・・・

さて、話を戻して「生徒」です。この「徒」の意味は「歩く・・」ではなさそうですね。いや、やっぱ騎乗の先生と歩く生徒ですかねえ。昔、生徒と呼ばれていた時期があったわけで、ふと気になったのでした。徒労の徒だったりして・・・・