グローバリズム以後

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グローバリズムが世界を滅ぼす (文春新書) 単行本 - 2014/6/20 エマニュエル トッド (著), 柴山 桂太 (著), 中野 剛志  (著), 藤井 聡 (著), 堀 茂樹 (著), & 2 その他

エマニュアル・トッドの最近の著作。ここ数年の新書は、日本におけるインタビューや講演の書き起こし。すでに著作で述べられていることばかりだが、口語で平易な語り口。

「グローバリズムが世界を滅ぼす」は、共著の柴山 桂太, 中野 剛志, 藤井 聡がこれまでにそれぞれの著書で語っていることと同じ。


問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論 (文春新書) 新書 - 2016/9/21 エマニュエル・トッド  (著), 堀 茂樹 (翻訳)

「問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論」では、EUが崩壊に向かうことを予測している。私はユーゴスラビアの崩壊を思い出す。あのような悲惨な事にならなければいいけど。

・グローバリゼーションにより、世界は単一の価値観を持つようになるのか?という問いに、そうはならないと解答。(例:人口問題について。家族形態が平等主義のフランスでは回復しているが、権威主義が強く女性の地位が低い日本やドイツでは出生率が低い。)レヴィ=ストロースも「世界的に文化が融合・均一化されることはない」と言っていた、人類学の学会での定説。

・世界には同族婚や氏族単位の政治に見られるように、国家というものが存在できない段階の国がある。西欧社会のように国家のシステムが機能してこそ、国民が個人として生きて行くことが出来る。個人の自立には国家の後ろ盾が不可欠。国家は家族、親族、部族といった関係から、個人を解放する。

・国により家族のかたちは違うが、移民として移動してきた人々は、自分たちの伝統的な習慣より現地の家族システムに従っている。例えばアメリカの場合、移民のコミュニティから離れ、個人として自立することを助けたのは国家。

・日本の場合、「家族」の過剰な重視が「家族」を殺す。家族内の負担が大きく、公的扶助が足りないと「家族」は破綻する。

・日本は長子相続の直系家族というシステム。家族構造がヒエラルキーになっているため、国際関係を対等だと考えることも苦手。弱者に転落した国家が従来のヒエラルキーから脱して、あまりかかわらないようにすることも自然と考えてしまいがち。国際情勢と距離を置いて自分だけの世界に閉じこもってしまおうという孤立志向の誘惑がある。日本のような長子相続の国では、長男以外は家族ヒエラルキーの外に出てしまい、一人で生きようとする傾向がある。日本はこの伝統的な文化の殻を打ち破り、今後も国際社会の中で積極的に世界の安定化に関与していくべき。p.204

・余談:日本でアンケートをとると、突出して多い答えが「わからない」という回答。日本では自分の意見を留保しておく態度が非常に多い。日本人の研究者から「アンケートの回答例を奇数にすると真ん中に回答が偏るので偶数にする」ときいたそう。
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これもひとつのシャイハックですね。

iPhoneのメモを見ていたら、別の日に書いたものが出て来た。トッドのどの本についてだかわからなくなっているが

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第1章は自国フランス向けのインタビュー フランス人への警鐘 ヨーロッパ内部の事情がわかる

フランスはドイツよりイギリスと組んだ方がよい

スコットランド分離はない

グローバル化した世界では、国民国家の枠組みはかえって管理が必要。エリートの責任ある振る舞いが必要。その自覚があるか?無知なゆえに無責任になっていないか?

ドイツと日本は直系家族少子化 権威的

日本ではイニシエーションが存在しない、または非常にゆっくりで段階的なことと関係が?

人口学的には、少子化を移民で解決するのは❌という

ユーラシア大陸の周辺部に分散して核家族の地域があり、ユーラシア大陸の中心部に一続きの塊として共同体家族の地域がある。これは方言の分布と同じで、核家族という家族システムの方が古く、共同体家族の方が新しいということを示している。共同体家族は、ユーラシア大陸の中心部から周辺部に向かって伝播したが、まだ空間全体を覆い尽くしてはいない、ということを示しているのだ。ローラン・サガール中国語の方言と歴史を研究

家族システムの起源 上 4章 日本について

ルース・ベネディクトを評価。人類学者が日本を語るとき賞賛

人類学人口学とはホモサピエンスの繁殖形態の研究

日本に関してはザックリ
唯一の問題人口 完璧さに固執すぎ 多少の無秩序も受け入れろ

中国の進路を決めてきたのは膨大な人口を安価な労働力として使ってきた西洋のグローバル企業

中国は伝統的に平等主義な共同体システム。兄弟が平等に遺産を相続 共産主義革命を可能に 現在の格差社会の現状は社会全体に大きな緊張感をもたらしている。指導者たちの対策はナショナリズム

中国との関係において大事なのはプラグマティズム。過去のナショナリズムに引きずりこまれないこと

シャルリ事件
フランス国内の格差 特に若者中でもイスラム圏出身者
反イスラムはカトリックロス シャルリ運動参加者は最近までカトリックだったが今はそうでない地区で多かった

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トッドは、自分は日本についてはあまり詳しくないのに、なぜ本が売れるんだろう?この人たちは(出版社各社)重用してくれるんだろう?という戸惑いがチラッと感じられる。もちろんフランス人なので、ビジネスはビジネス!バンバン売りますよ!なんだけど。

日本研究にベネディクトが選ばれたように、対象に接点や思い入れがなく全く客観的な視点からの分析っていうのが人気なのかな?