あることの責任が問われる時、どこまでその人を「責める・責めない」かは、その行為の目的にどこまで共感できるかによると思う。わたしは誘拐された3人にとっても共感できる。だから悪くは思えない。危険地帯に入るのに現地語を習得していないのは準備不足だったんじゃないかとは思うけど。
与党は参院選を前に、ここで小泉政権に楯突くやつらを一発ギャフンと言わせて黙らせておきたい、そういう機会を逃さず攻撃するだろう。救助にこんなにお金がかかったんだということを強調して、国のおかげで助かったんだぞと言う風に論調を持って行きたいところだろう。
でも今度の事件で日本は損害をこうむっただけだろうか?アルジャジーラを通じてアラブ世界(産油国)に「日本人はアメリカに追従しているばかりではない、自衛隊の派兵に反対する人たちがたくさんいる、お金を出すだけじゃなくて危険を顧みずイラクのことを真剣に考えている人もいる」とアピールできたのではないか。
日本政府はアメリカに対しては「一応派兵しときました」と言って、イラクには「支援に来ました」という二枚舌、これが外交というものだと思うが、アメリカに従っていればイラクの利権のおこぼれに預かることができるという可能性も薄くなってきた今、「アラブ世界の味方です」という印象を強調するのも大事じゃないですか?経済界の方々。
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流血と殺気が引き裂く社会
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尻馬に乗ってはしゃぐ愚者たち
Le Monde
日本:高揚する人道主義」ポンス特派員報告、フランスも人質三人を誉めているぞ!
人質解放に際して日本政府は何も交渉をしていなかったことがわかったので、記事を一部削除しました。私のハヤトチリでした。
YOUCHAN
わたしの友人に、3人ほどイラク入りして
現地のレポートを送ってくれている人がいます。
わたしは、彼らの行動に対して、
これまで一度も批判をしたことがありませんでした。
人質事件がおきて、こう思いました。
友人たちが誘拐されなかったことは、
たまたま運がよかったにすぎないんだな、と。
その内一人は、成人したばかりの若者で、
しかも13日に帰国したばかりでした。
今、巻き起こっているバッシングの嵐は、
私自身とても胸が痛くてたまりませんでした。
それは、ひいていえば、身近な人に、
もしかしたらバッシングの対象に
なったかもしれない人がいたからなんだ
と思いました。
人質事件がおきた元凶
(外交とか政治とか、戦争そのものとか、
これまでの中東諸国の抱えている問題とか…)
について、もっと話し合われるべきだと思います。
個人攻撃は、もう見たくないし、
勘弁してほしいです。
ririri
そうですね、「人質事件がおきた元凶」そこが政府にとって一番ふれられたくない個所でしょう。そして責任を「かかった経費」「個人の責任」などという小さな問題にすり替えてメディアを操作したいんだと思います。それぐらい今回の事件がいかに政権にとって危機だったか、与党の議員同士で申し合わせでもしたかのように国会議員が口をそろえて「自己責任」云々言うのを見るとその必死な度合いが伺えます。彼らはせめて7月の参院選まで自分たちの政策に不利なことを言う人たちを黙らせておきたいだけだと思います。でもだからって、一般の人までが同じことを言うのを聞くと、「ハ?」という感じです。
高遠さんが「イラク人を嫌いになれない」とアルジャジーラで言ってくれて、そういう日本人像がアラブ世界で放送されました。政府の政策にもかかわらず、日本人をテロから守ってくれるのは、こういう個人の立場で相手の懐に飛び込み、魂の防波堤になってくれている人たちではないでしょうか。保守派の事業家の人にとっても主権委譲後のイラクとの取引で好材料になるはずです。開放された安田さんはインタビューで「日本人に対する印象がよかった。日本の歴史に救われた」と言っていました。民間人の先人の努力が今の政権の悪印象を補ってくれているのだと思います。
もちろんだからと言って若い人に無駄に死んでほしいわけではありません。自己責任云々を言う人は、彼らのことが心配で、「人道主義とか名誉とかそんなものよりあなたの命が大事なんだから」と心配しているんだと思いたいです。じゃなくて「迷惑をかけられた」「かかった経費を返せ」という人がいたら、それはとんでもない思い違いだと思います。
だいたい誘拐の原因は政府の政策と外交にあるのですから(自衛隊を占領ではなくて支援のために派遣してるだなんて詭弁はイラク人には通用しないと今回はっきりしました)その責任は政府にあります。スペインのようなテロが国内で起こったらどうするんでしょう。そもそもの原因はアメリカが知識も能力もないのにイラクを占領統治しようとしたことでしょう。軍事力だけで利権を独占しようとしたのは失敗だった。イラクに派兵した国は続々見切りをつけて引き上げています。日本が自衛隊を派兵するのにかかった莫大な費用は全くの無駄だったばかりか、駐留を続ければ悪印象は増し、さらに損害を被るでしょう。それが一番の争点になるべきだと思います。
YOUCHAN
こういう状況になるほどに、
イラクや中東地域の人たちを追い込んでしまってることに、
もっと早い時期に気がつくべきで、
それを踏まえての「自己責任論」なら、
まだ話し合いの余地もあると思います。
誘拐が起きてスグに自衛隊撤退論を展開した
NGO/NPOの人たちは、常に頭にこのことがあった。
しかし、そうじゃない人にとっては、
そのステップを踏んでいない状態で、
いっぺんに(しかも、ごったまぜに)
情報が届けられました。
そういう混乱もあって、(私も含め)
国中が総ヒステリック状態になってしまった。
日本がこの騒動から落ち着いた時に、
自己責任と同様に、政治責任について、
国民がじっくり考えるようになっていけば、
きっとよい政治家を選べるようになると思います。
そう信じたいです。
心優しい日本人の良心に、早く戻ってほしいです。
ririri
うんうん、まったくその通りですね。自衛隊の派兵を日本の国民として責任を感じているか、イラクの人にすまないと思っているか、その前提があるかないかで大違いですね。単にボランティアだからエライとか真実を伝えるのが尊いとか、そんな事じゃないですもんね。でもそれゆえの危うさもあるわけで、殉教者は出てほしくないし。。。複雑です。
結局政府を動かすしかないんだろうなとは思いつつ、感情論だけでは政治は動かないし。反戦を叫ぶほど、それはイラクでの利権のライバルであるフランス、ロシア、中国などに有利に働くので、政府はかたくなになるし。。。
だいたいアメリカはちゃんと復興する気がないんじゃないでしょうか。無駄に血を流しているだけに見えます。ゆうべNHKのクローズアップ現代でリチャード・マーフィーさん(元アメリカ国務次官補)が「過去イラクについてアメリカがちゃんと情報を把握していたのはたった6年間しかない」って言ってましたけど。そんな無知な政策の片棒を担いで日本は大丈夫なんでしょうか。
「やっぱり無理なんじゃない?もう付き合えないよ」と誰か早いうちに言わないと。小泉氏がお友達だから言いにくいんだったら、首相を替えるしかないでしょうね。